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その後も順調にステータスを伸ばし、
余裕ができたので、休日を満喫していた。
露店にあるアクセサリーを見る、
「うわっ、可愛い~」
「お嬢さんにお似合いなのがいっぱいですよ」
「うーん、悩むなあ」
そうして、どれにしようか悩んでいると、
いきなり後ろから声がかかった。
「そんなに悩むなら、店の物全て買ってしまったら
いいのでは?」
あわてて振り返ると、攻略対象者の1人、
宰相の息子のリオ・エーベルヴァインだ、
長めの銀色の髪に、グリーンの瞳、
知性的な顔出ちで、何と言ってもファッションが素敵!
モデルかホストかと思うような、
色気が特徴の男性である。
「リオ様、いらしてたのですか!」
「リオでいい」
「しかし・・・」
「どうして、ライアンにはため口なのに、
私には敬語なのだ?」
と、言われましても~そうゆう設定なのでぇ
いかにも高級そうな衣服を着た貴公子の登場に、
店主も驚いている風だった。
「ここからここまで全部くれ」
リオ様が店の3分の1ぐらいの範囲をさす
「ちょ!駄目です!!!」
「私がプレゼントするのだ」
「だから駄目です!受け取れません」
リオ様は心底驚いている風だった。
「女性はプレゼントされて喜ぶ物だと思ったが」
「極端すぎます、そうですね、
これだけ甘えていいですか」
私は少し高価そうなブレスレットを手に取る。
「それ1つだけでいいのか?」
「1つだけでいいです」
頷く私に、リオ様は理解できないといった風な
顔をしている。
「普通はもっと、もっとと、ねだるものだろう」
店主もどこかほっとした顔をしながら、
ブレスレットのお会計をしてくれた。
「特別な物に、意味があったりする物ですよ」
店主の言葉に、リオ様が目を大きく見開く。
「この品は君にとって特別になるかい」
「はい」
笑顔で答える私に、リオ様は満足した顔をしていた。