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2-1 入れ替わりました?

前世の記憶を取り戻してから、

2年の後半まで時間が過ぎた。


それまでゲームに絡む事もなく、

いつも通りの日々。


一応ヒロインについて調査をしてもらい、

伯爵家にデフォルトの名前の令嬢がいる事は分かっている、

ゲームの世界が進行している可能性は高い。


そして、とうとう待ちに待った、

私のゲーム登場の日!


王宮に伯爵家以上の妙齢の女性が集められ、

王子の婚約者に相応しい女性がいないか、

見定められる日なのだ。


はっきりいって、これしかゲームに登場しない、

ドレスもゲームのまま、

化粧もゲームのまま、

ステータスもゲームのまま、


全てゲーム通りだと分かっていても、

テンションは上がる、

何と言ってもヒロインに会える貴重な機会なのだ。


公爵家の持っている馬車の中でも、

最高級の馬車に乗って王宮に向かう。


王宮では広い部屋に通され、

そこにはすでに数人の女性がいた。


あ!ヒロインがいる!!!!


じっと見る訳にはいかないので、

ちらり、ちらりと全体を見る風をして伺う。


本当にゲームの通り、可愛い!!!


ピンクの腰までのロングの髪に、

少し垂気味のまゆげ、

ぷっくらとした唇は潤っている。


特に印象的なのが、髪と同じピンク色の瞳、

大きくてくるりとしていて、

思わず庇護欲をそそる。


同じ女性でも、可愛いというより、

美人に分類される私とは、まったく雰囲気が違う。


そうやって、表情はそのままで、

内心ゲーマーのテンションで盛り上がっていると、

王妃様が入場して来られた。


「これからステータスの確認をします」


王妃様の言葉に列ができる、

身分の低い者からと侍従の声がかかり、

伯爵家のヒロインはかなり最初の方だ。


最初から用意されていた、大きめの水晶玉に手をかざす、

すると、ステータスが浮かび上がる仕組みだ。


ヒロインのステータスはと。


魔力  60

学問  50

礼儀  70

ダンス 50

魅力  80


ヒロインのステータスを見て、あちゃーと思う。

これは王子攻略を目指して、失敗した典型的な

パターンである。


全体的には高めのステータスなのだが、

この時点で全ステータスが60以上でないと、

攻略者と親密度を上げる為に必須のイベント、

3年目にあるお祭りイベントが発生しない。


つまり攻略者ルートは不可という訳。


多分ヒロインは通常ルートのどこかに収まるだろうなと、

考えながら、自分の番を待つ。


そして最後に私の番となった。


水晶玉にそっと手をかざす、


魔力  70

学問  60

礼儀  80

ダンス 70

魅力  80


周りからざわめきが起こる。


私のステータスが一番高かった為だ。


このステータスを超えないと、

王子ルートにはたどり着けない。


(本当に鬼畜設定よね)


王妃様は満足そうに頷き、

ヒロインは俯いて、スカートをぎゅっと握りしめていた。

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