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誕生日の次の日。
朝目覚めたら、頭がすっきりしていて、
メイドが起こしに来る前に目が覚めた。
ゲームは13歳から15歳までの3年間なので、
今が丁度ゲームの最初。
この世界では15歳が成人で、結婚できる年齢なので、
15歳で終了という設定になっている。
そして、私、セレスティ・ロシェットは
王子の結婚相手の最有力候補、
ヒロインに立ちはだかる障害なのだ。
悪役令嬢って程、ゲームに絡む訳ではなく、
単なる、”この令嬢のパロメータ―超えないと、
王子エンドは行けないですよ”と言う目安キャラ。
転生先としては、かなりいい先だと思われる。
ヒロインがどんなに頑張っても、
王子ルートに来る確率はかなり低くて、
そのままいけば王子妃。
当然パロメータ―の設定は高く、
子供の頃から王妃になる為教育を受けてきたので、
問題が起こる可能性は恐ろしく低い。
ありがちな、ヒロインをいじめたりと言った、
いわゆる”悪役”令嬢的な事をする必要もないし。
そんな事を考えていると、メイドのケーティが、
私を起こしに来た。
「おはよう、ケーティ」
「おはようございます、お嬢様」
私がすでに起きていた事に驚いた顔をしたものの、
すぐにいつもの笑顔になる。
恐らくゲームの世界である事に間違いないと思うものの、
気になるのがヒロインの存在、
一応調べておいてもらおうかな・・・
セレスティはゲームの世界では、本当のチョイ役なので、
後半でちょっと出るぐらいで、
ほとんどといっていい程出番がない。
気軽でいいな~
「お嬢様ご機嫌ですね」
髪を結っているケーティが言う。
「私って本当に恵まれていると思うの」
「そうですよ!こんなにお美しくて、賢明で、
天はお嬢様に二物も三物も与えたのです!」
私びいきのケーティに微笑みながら、
朝食の為に食堂に向かった。