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一気に記憶が蘇る。
そう、これは日本と言う文明社会の、
30代前半の女性の知識。
短大を出て、そのまま企業に就職、
それなりに男性と付き合ったけど、結婚まではいかず、
今は彼氏がいなくて、年齢的に焦り気味。
婚活も体力使うから、スマホアプリの出会い系
サイトに登録しようかなと思うものの、
既婚者が登録してたり、体の関係をもったら、
いきなり連絡がとれなくなったりと、
トラブルもあると聞いて、迷っている。
友人は出会い系で、素敵な旦那様をゲットしてるので、
全てが悪い訳ではないんだけどな・・・
そう思いながらも、現実は3次元の男性にハマっていた。
ポータブルゲーム
「煌めく プリンセスメーカー 運命の出会い」
これは、伯爵家でありながらも、
少し貧乏な令嬢に、毎日のスケジュールを
入力していく、育成シュミレーションゲームである。
ただ、このゲームが爆発的な人気になったのは、
単なる育成だけでなく、恋愛アドベンチャーの
要素も所々あり、スチルなど画像が綺麗で、
エンディングも23種類とやり込み要素が多い所である。
まず、メイン攻略者となる王子、エリック・ガインハルク
次に宰相の息子、リオ・エーベルヴァイン
最後に騎士団長の息子ライアン・モーガン
この3人を攻略する事が王道となる。
もちろん、エンディングの数が多いので、
職業エンドや、隣国の貴族に嫁いだとか、
攻略対象者とは全然異なるエンドになる可能性もある。
前世、私はこのゲームをやり込み、
ノーマル(通常)エンディング20、攻略者3
で合計23あるエンディングのうち、
(バッドエンドは存在しない)
悪行の限りを尽くさないとでない魔王の嫁、
(良心的に攻略をしたくなかった)
そして、どうしても攻略できなかった王子、
その2つのルート以外は全て攻略している。
ちなみに、私は29回プレイしても王子ルートは不可で、
攻略サイトでも、難しすぎるとの書き込みが、
後を絶たなかった。
宰相の息子と、騎士団長の息子は、
それぞれの好感度を上げるだけでいいが、
王子ルートはこの2人が側近設定の為、
2人の好感度も上げつつ、
王子の好感度を最高にしないといけないのだ。
このゲームは、一度エンドを迎えると、
ステータスや持っている物、お金などは
全てリセットされてしまう。
つまりデーターの引継ぎはできない。
ワンプレイ3時間程、慣れてスキップ機能など使えば、
2時間で最初から最後まで行けるとはいえ、
29回プレイして、いまだ王子攻略が
できなかった私は、新たな攻略情報が出るまで、
諦めようか迷う程、王子攻略の沼の中にいた。