9.潜入捜査(8)調教〔フリーダ語り〕
9.潜入捜査(8)調教〔フリーダ語り〕
〔アセックス伯爵令嬢の侍女フリーダの語り〕
あーダル。ダルいわあ……。
ホント、バッカじゃあないのお……あの嬢。
男の子の髪の毛の匂いをかいで興奮するとか変態でしょ……。
示談で済んだけど、社交界の噂になって縁談パアよパアよ。
オマケにこっちまで変態扱いされるしまったく……。
なーにが「黒髪美少年が……」よ。
知性の欠片も感じないし。
んで、また相手が東洋人ってのが笑えるし。
どーすんのよ。
あー来た。帰ってきた。
アッ! アレそうじゃあねー? あの銀髪マゾだわ。
うわーこっち見てる。
ゲームじゃあないんだからジッと見んなっつーの。
あー見てる。
ふーん。じゃあ、飼ってあげようかしら……。
「グフッ!」
うわー避けない。モロに入った。チョロ涙。
あー。やっぱりコレ、マゾヒストだわ。
うんうん見たら分かるから。
嬢、嬢。こっち見て、コレはイットです。
「わたくしはミシェル・ラングレイです。お初にお目にかかり光栄です。ぜひミシェルとお声がけください」
うわー、イザベルお嬢さまお得意のガン無視!
最高! 最の高!
「フリーダ、イットに犬小屋を案内してあげなさい」
「ヒィ!」
キター! 犬小屋だって!
涙目になってる。受けるー!
首を掴んだ。
あー堕ちてる。何もしていないのに堕ちてる。
何? その目。
嬢の目が届かなくなったからってそんな顔してイイと誰が言った? アン?
「この痴れ者が!」
尻を蹴っ飛ばした。
「ヒィ!」
あーちょっとは楽しめそうだわ……。