10.潜入捜査(9)評価〔ミランダ語り〕
10.潜入捜査(9)評価〔ミランダ語り〕
〔アセックス伯爵令嬢の侍女ミランダの語り〕
うわー……またフリーダ、悪い顔してる……。
嬢と何かしたのね……。まあ何も会話しなかったんでしょうけれど。
そんな顔しないでよ、バカ正直なロブさんといるほうが疲れるって断ったのあなただったわよねえ?
え? ミシェル? あーそういえばそうかしら。
でもどうよ? 客人扱いでしょうに。
あっ、でもお客さんとしては、アッシュだけか……。ミシェルはオマケみたいなもんだし……。
あ、肘鉄。
ウッヒャー……。引く。
この人、喜んでる……。
変態だあ……変態。
うわー涙流して喜んでる。真性だあ……。
あー、嬢も気づいた。
ちょっとロブさん――。首振ってるし……。
「わたくしはミシェル・ラングレイです。お初にお目にかかり光栄です。ぜひミシェルとお声がけください」
ガン無視!
引く。
これが自分の主人の娘だということに引く!
フリーダ、顔赤くなってる?
嬢も喜んでる? あーでも嬢は黒髪美少年を楽しもうとしている?
気づいていないのはアッシュだけ?
違うわ。慣れている?
……そう慣れているんだわ。このアッシュっていう人こそコレ(イット)のご主人さまでは?
いいえ、嘆願していないわ。
真性の中の真性よ! 久しぶりに見たわ!
「フリーダ、イットに犬小屋を案内してあげなさい」
「ヒィ!」
ドン引き。引きすぎ。フリーダむっちゃ喜んでるし。
「この痴れ者が!」
「ヒィ!」
アレ、お尻、お猿さんみたく真っ赤になるわよ。
――っていうか、真性は嬢だわ。
うわー髪の毛なめてる。ベタベタになってる。
えーっと、ハンカチーフ――いえここはナプキンの出番だわ!
紅は淡いほうが美しく映えるはず。
アッシュも微妙な顔してるし、まあ美少女にされたら――首に舌ってあーた。
ようやくロブさんの出番ですか……。まあわたしじゃあ止められそうもないし。
まあでもアッシュってハンサムよね……。




