95話 Players 05
「マーク。こいつぁ、人間だ悪魔だ関係無く、『年長者』として言うんだけどよ」
8箱目、3枚目のスペシャル・シーフードピザを口に放り込み。
エイクが続ける。
「仕事ってのはよぉ、7割でやめとけよな」
「うっかり調子に乗ってやっちまっても、8割な」
「それ、どういう基準だよ」
「5割だと、そりゃあ大失敗だ。当分の間、仕事は来ねぇ」
「『ギリアム様』は、無言だったぜ。何の叱責もなかった」
「お前らの体験談か!」
「で、6割は大失敗じゃないが、失敗だ。これは正直言って、『物理的に痛い』」
「というか、流石に痛過ぎて、俺らの好みじゃあない」
「変態かっ!?」
「オイラもブラザーも、試行錯誤の切磋琢磨」
「ようやく導き出したのが、『ストライクゾーン7〜8割』という公式」
「今までのどこに、式が含まれてるんだよ」
「───念の為、付け加えておくが」
「───9割以上は、死んでもやらねぇ」
「何の『御褒美』も無く!」
「気持ち良くないからな!」
「・・・ヤバい・・・重症の、変態だ」
「おいおい、マーク!その『変態』って言葉を、ちょいと置き換えてくれや」
「もっと希望に満ちた、言葉によぉ」
「・・・置き換える?」
「『ストライクゾーン7〜8割』作戦、てのはな」
「式は諦めたのか?」
「俺らだけじゃ、成り立たないんだぜ」
「『ギリアム様』の協力が無けりゃ、な」
「・・・どういうことだ?」
「俺らがやってんのは、まぁ、『手抜き』だ」
「とっくにバレてんだけどよ。なのに」
「ドサクサ紛れで、『懐刀』を名乗っても」
「即座に蹴られない程度にゃ、認められ」
「こっちが『7〜8割』しかやらねぇのを承知で、付き合ってくださってんだよ」
「そこんトコ、俺らも『ギリアム様』も、口にはせずに」
「分かるか、マーク」
「Heart to Heart」
「これが、『信頼』ってモンなんだよ」
「・・・『信頼』・・・」
「「そういうプレイで、全員!
《気持ちいいぃぃッッ!!!》、なんだよ!!」」
「変態じゃねぇかっ!!」




