94話 Players 04
───それから、2時間後。
正直に言おう。
何故こうなったかは、分からない。
自分は・・・まかり間違っても、こんな性格じゃない筈だが。
やっぱり、ウォッカのせいか?
さっさと潰れて、寝てしまったほうが良かったのか?
もはや僕は。
いや、僕達は。
「───て、オイ!聞いてるかぁ、マーク!」
「聞いてるって。というかエイク!お前、どんだけ食うんだよ!」
「ダハハハ!少しは手加減してやれよ、ブラザー!」
「ブレイクは飲み過ぎだろっ!クソ高いんだぞ、ルームサービス!」
・・・お互い、名前で呼び合う仲になっていた。
「だからよぉ、マーク。お前はちょいと、マジメ過ぎんだよ」
「真面目にやらないと、クビになるんだよ、人間は。
お前ら悪魔みたいにやれたら、どんなに楽か───」
「いやいや!そいつぁ、違うぜ!パッと見、俺達ぁLooseでFunkyで」
「イケメンだが」
「最後、おかしいだろ」
「ここだけの話な。オイラもブラザーも、『超エリート』なのよ」
「本気で言ってんのか?」
「マジも大マジだぜ。『10やれ』って指示が出て、そこらの連中が四苦八苦してるのを」
「横目に俺達ぁ、『12』やる。制限時間の半分で」
「・・・・・・あれか?
お前らは人間で言う、『上級・国家公務員』みたいなヤツか?」
「おうよ!だから、仕事がキツイなんて思ったこともなけりゃ」
「ミスした事も無ぇ」
「どこの『お偉いさん』に仕えても、チョチョイのパッ!」
「褒められたことしか、なかったわけよ」
「───そんで。太陽を突き刺すばかりに伸びた、俺らの鼻を」
「───ポキリ、と折って踏み潰し。丁寧に磨り潰してくださったのが、『ギリアム様』ってわけだ」
「・・・・・・」
「マーク。お前ぇ、『ギリアム様』が怖いだろ?」
「・・・そりゃあ、大悪魔だ。怖いに決まってる・・・」
「悪魔からしたって、怖ぇよ。何せ、初回の任務で失敗こいちまって」
「全身の鱗が剥がれ落ちるか、ってくらい怒られた」
「悪魔らしい例えだな」
「HAHAHA!!『失敗』も初めて、『叱責』も初めて」
「でもよ」
「だからこそ、気付けたんだ」
僕の両肩に、ぶ厚い手が載せられ。
「「───《何だ、コレ!?叱られんの、気持ちいいぃぃッッ!!!》、ってな!!」」
「───変態かっ!?」




