表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/738

71話 情けない背中 01

読者様の中に、エルフの方がいらっしゃいましたら。

その・・・。


ごめんなさいっ!!


【情けない背中】



「え───な、何で───」



 思わず独り言が出て。

 呆然となった私をよそに、画面がフェードアウト。


 重厚な音楽が流れて。

 製作者達の名前と、これまでの冒険のハイライトシーンがスクロール。




 ああ・・・えっと。


 これで、『終わり』?

 『終わり』なの??




 ・・・何で?


 どうして、エルフのミーシアは勇者と結婚したの?

 おかしいでしょ、それ?



 私としては、盗賊のカリオンが良かった!


 勇者は確かに、チームのリーダーで。

 世界を滅ぼそうとする『大災厄』を消滅させたよ?


 でも、「さあ、行こう!」って前に進むばかりで。

 彼の個人的な感情や、人柄に関する描写は、特に無かったよね?



 その点、カリオンは。

 すっごく魅力的だった。


 女の子に声を掛けまくるから一見、軽薄そうだけど。

 実は、純真、純情。


 チーム一行が次の目的地に旅立つ、前日の晩。

 両親を亡くして途方にくれている兄妹に、一人で会いに行ってた。


 不作に喘ぐ村人を見て、領主の館に踏み込み。


 「今すぐ私財を処分して、村を助けろ!」

 「それが上に立つ者の義務だろう!?」、と大演説。


 投獄されても、最後まで主張を曲げなかった。


 ラストダンジョンで封印の1つを防衛したのは、彼だ。

 過去の恨みを忘れられない『四天王・ハーダル』に対して、名言。


 「お前は、正しいさ。何も間違っちゃいない」

 「俺がお前の立場だったら、同じようにするさ」


 「だが───お前が俺だったら・・・きっと、こうするだろ?」



 ・・・どう考えても、カリオンでしょ?

 私がミーシアなら絶対、カリオンと結婚するよ!?




 所詮、『ゲーム』の中での物語(おはなし)だから、まあ。

 深くは考えちゃいけないのかも、しれないけど。


 それでも、こういう『ゲーム』を通して、分かることがある。



 それは。

 『人間達が思うエルフ』、ってどんなものなのか。



 私がプレイしてみた、幾つかの『ゲーム(エルフ語訳版)』。

 その世界観や設定で『エルフ』に関するものを纏めると、こんな感じ。




   ハイエルフ・・・光の神(?)を信奉する、上位の古代エルフ。

エルフの王族(??)


   ウッドエルフ・・・森に住んでいる、普通のエルフ。


   ダークエルフ・・・シャドウエルフ、とも言われる。

肌の色が褐色だったり、青白かったり。

邪神(?)に魂を売って、エルフから変わり果てた。




 ───ん~~~・・・。


 ウッドエルフに関してはまあ、特に違和感は無いかな。

 身体の特徴、寿命。

 子を成し(にく)い、とかも、私達と同じ。

 生活様式もほぼ、一緒だ。



 けれど、『ハイエルフ』って??

 謎すぎて、頭がおかしくなりそう!


 『エルフ』は、単にエルフで。

 上位~、とか、古代~、とか無いよ?


 そもそも、私達は『神』というものを信じていないから。

 『無信心』ってコトじゃなくて。

 『神の存在』を否定してるから。



 あと、『ダークエルフ』ね。


 ・・・いません!

 ・・・いないから!(苦笑)


 私はそんな存在を聞いたことも無かったけど。

 それでも一応、『めーる』で父様に尋ねてみたよ?


 ───で、返事。



   《それは、何かの病気にかかったエルフなのかな?》




 ええと。

 他に何か、あったかな・・・。



 ・・・あ、そうそう!


 『エルフの森に旅人や狩人が迷い込む』、というやつ。



 無理だと思うなぁ。

 精霊を知覚して、会話出来なきゃ無理だよ。


 そして、それが出来るなら。

 『迷い込む』じゃなく、『遊びに来る』だと思うよ?


 私の故郷でも実際、いたし。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ