605話 Hyper Link 04
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「一派のトップとしての義務だとかを、どうこう言うつもりは無い」
休憩室。
またしてもグリーン・ティーのボトルを、持って来られず。
またしても季節感無視で、氷入りのカフェオレを押し付けられ。
そういった不満も含めた上で、男は。
向かい側に座る少女を鋭く睨んだ。
「寝ていようが、どこで遊び呆けていようが、少しも構わん。
好きにやれよ。
これまでも、これからも、それで困るほどウチもヤワじゃない。
───だがな、リーシェン」
テーブルに載せられた両拳が、小刻みに震える。
「フル回転の。
全身の毛穴から血が吹き出すような。
常に緊張感を持っていなければ殺されそうな。
そういう俺の、発狂する程に嬉し気持ち良い数々の『仕事』。
それを邪魔する権利は、お前に無い。
断じて。
微塵も、ありはしない」
「そんなカルロゥにだって、きゅうそくは必要」
「心にも無い事を、アドリブで喋るな!」
「とにかく、相談にのってほしい」
「それが”嫌だ”、ってんだろうが!
分かれよ阿呆!」
「やだ」
「──────」
男の瞳の奥、瞬間的に激しい怒りが宿り。
しかし、そういった負の感情が急速に薄れていったのは、諦めのせいだ。
話を聞かない、理屈が通じない相手だと知っているからこその、諦観だった。
「───さっさと用件を済ませろ」
「・・・きのうの夜、泣かされた」
「ほほう。
催涙ガスか。タマネギか」
「そんなもの、悪魔にはきかない」
「じゃあ、理由は何だ」
「おおかみの坊やに、召喚でよばれて」
「───ああ?」
「・・・そのとき、カルロゥは思った。
れいの、ハンガリーの件か。
まさか。
俺さまの策に、何かもんだいでもあったのか?
じぶんをカンペキだと思っているカルロゥは、ひどくプライドを傷つけられ。
かしこくて可愛いボスの話に、耳をかたむける気になった」
「勝手にモノローグを捏造するな」
顔を歪めた男が、アイスカフェオレを一口。
「──────それで?」
「うん。くわしく、せつめいする」
「端的に、シンプルにな!」




