表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/738

57話 神より奪いし花束 06



「・・・しかし・・顔が・・・!!」


「ああ・・・顔がっ・・・!!」


「もしや、1650年代に観測された・・・」


「まさか!!『The Faceless』かっ!?」


「いや、待て!それは早計に過ぎますぞっ!!」


「しかし、記録との類似点が!!」




 ・・・ねえ。


 爺様達。

 元気を分けて。


 ハゲはいらないから。

 ちょっと僕に元気、分けて?



 “見たい”───“見テハダメダ”


 “見えない”───“見テハダメダ”



 召喚陣の内側からの重圧(プレッシャー)

 衝動的に上がりかける、視線。


 その板挟みで。

 僕はもう、窒息寸前だ。




「・・・皆、静粛に!!」



 低く、鋭い叱咤が耳を打つ。



 これは、リスヴェン枢機卿の声だ。


 Top of Top───次期法王の、最有力候補。

 通称・後頭部禿げ。




「マーカス君。一時的で構わない。

 その悪魔に対する『命令権』を、我等に譲渡することは可能かね?」


「───ハイ(いいえ)」



 脂汗が、ボタボタと床に(したた)る。



「───ドウゾ」


「ん・・・?もう終わったのかね?

 確かに、我々のほうへ移したのかね?」


「───ハイ(いいえ)」




 ・・・あのね。

 これ、秘密なんだけど。


 そもそも、無理なんだよね。


 この召喚陣は、『バルスト専用』でして。

 そのバルストが、速攻でバックレまして。

 入れ替わりに来た『大悪魔』と僕は、無関係なわけで。


 ・・・つまり。


 小指の先ほども、制御出来てないんだよね!

 あちらさん、陣の外にも平気で出られるんだよね!


 ははははは!


 どうせ部屋の外には、『秘匿部隊』の方々が待機してるんでしょうけど!


 無理ですよ!

 どーーにもなりませんねぇ、これ!!




「・・・では、現われし悪魔に問う。

 そなたの『真名』は?」



 答えて!!

 適当でいいから、何か言って!!



「───ギリアム───」



 The Faceless・・・ギリアム・・・。



 誰かが呟き、またざわめきが広がり。

 リスヴェン枢機卿の咳払いが、それを打ち消した。



「ギリアムに問う。悪魔の存在意義、目的は何だ」


「───問う気の無い質問に、答える道理は無い」


「何だと?」



 ・・・ごめん、ハゲ!


 怒らないで!

 コレ、コントロール出来てないから!

 おとなしくしてて!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ