430話 Nothing to say 07
”ちょっ・・・ええーーっ!?
修学旅行で来てて、取り残されたのっ!?”
「いやいや!こっちだってそんなの、分かるわけないだろう!?
悪魔側の主張に共鳴して早速、天界から降りて来たんだとばっかり!
彼女だって、そう言ってたぞ!!」
”『言ってた』じゃなくて、ちゃんと確認しなよ!!”
「───いいのよ、《大佐》。
あなたは優しいから、そう言ってくれるけど。
自分でも、軽率だったと思ってるわ。
何もかもを運命のせいには出来ない。
自ら選択した行動の、結果だものね」
「───『堕天使ベルカーヌ』として陛下から頂いた位階は、二十四番。
ええ。
相当、いい順位よね。
やり過ぎなくらい『おまけ』してくれたんだと思うし、感謝もしてる。
けれど、私は不安だった。
怖かった。
自分の弱さが、とても恐ろしかった。
『悪魔』としてそれなりの魔力も貰ったけど、上手く使えなくて。
法力だって、所詮は学生レベルよ?
どちらを使っても位階に見合うような実力なんて、全然無かったの」
「解決策は、ただ1つ。
───《相反する力を螺旋に練り合わせ、超近接距離で打ち込むこと》。
だから私は、徹底的に拳を鍛えた。
地獄でやっていけるだけの力を身に付けよう、って。
『上の数字』を打ち負かし、もっと順位を上げて。
誰からも狙われないようにならなきゃ、って。
毎日そればかり考えて、努力したわ。
でもね。
それでも、恐怖が消えることはなかった」
「だって───分かるんだもの。
みんなが心の中で私をどう思っているか、分かってしまうんだもの。
《いの一番に地獄へ下ってくるような奴だ、ろくでもない》って。
《あばずれ女だ》、って。
誰も彼もみんな、そういう風に私を見てるんだもの!」
「──────」
”・・・・・・”
「誰も、私に話し掛けてくれない!
仲間を裏切るような奴だから、信用なんて出来ない、って思ってる!
何とか六位にまで上がったけど、でも、それが何!?
ここには家族も、知り合いも居ない!
頼れる存在も、助けてくれる誰かも居ない!」
「朝、目が覚めたら───もう私を処刑する事が決まってるかもしれない!
やっぱり天使なんか殺してしまおう、って!
誰が私の命を保証してくれるの!?
一体、誰が!?
それが出来るのは!!
魔王陛下だけでしょう!?」
「───!!」
”・・・・・・”
「みんなが『あばずれだ』って言うなら、そうなってやるわ!!
情婦でも何でも、なってみせるわ!!
私はもう、帰れない!!
母様にも父様にも、二度と会えない!!
だったら、『ろくでなし』のベルカーヌで上等よ!!
そう決めたのに!!
肝心の陛下が戻って来なかったら、私はどうすればいいの!?
どうやって生きていけばいいの!?」
「ううっ───う"わ"あ"あ"あ"ん"!!
《大佐》あ"あ"あ"ーーー!!!」




