135話 再会Ⅱ 02
回る、回る。
落ちる、落ちる。
───何故、回るのか。
───何故、落ちなくてはならないのか。
いつしか、僕の頭の中で。
この哲学的な問題が、ただそれだけが、延々と繰り返されていた。
回され。
落とされながら。
「はいはい!立ちましょぉ!」
「・・・・・・」
「先輩、どうしたんです?」
「・・・2本の脚で立つから、ダメなんだよ」
「はあ?」
「僕にはまだ、2足歩行は早すぎる・・・地面が、大好きだ。
僕は、人間未満の存在だ・・・」
「あらら───悟っちゃいましたかぁ」
「我、真理に至れり」
「産まれたての子鹿みたいに震えてますけどぉ。
立たないと『講習』、不合格になりますよぉ!」
「お前さぁ、少しは手加減しろよ。僕は、秘匿部隊の隊員じゃないんだ。
ここまでやる必要は無いだろ」
「手加減してますって!秘匿部隊相手は、こんなもんじゃないですよぉ?
XXX漏らしながら”殺してくれ”、って泣きじゃくるまでやりますからねぇ!」
もう無理だ。
吐きそう。
「先輩の『特務』って、単独ですよねぇ?」
「まあ、そうだな。極稀に、2人で組むくらいだ」
「武装無しでカルト共と接触するのに、こんなんじゃ、すぐ死にますってぇ」
「いやいや。何とか生き残ってるだろ」
「そりゃ先輩が、『とっておきの手段』を使ってるからでしょぉ」
「・・・・・・」
「あれぇ、2本脚で立てるじゃないですかぁ」
───機密が、抜けている!?
───どこから漏れた!?
───誰が喋った!?
───いや、待て。
───こいつは、『とっておきの手段』としか言っていない。
───ブラフの可能性がある。
───生還回数や任務達成率から、”何かある”とアタリを付けただけかもしれない。
「せんぱぁい、顔コワっ!間違ってもこんな所で、『呼ばないで』くださいよぉ!」
「・・・!」
駄目だ。
これはもう、アウトだ。
僕が悪魔を召喚している事が、『関係者以外に』知られている・・・。




