表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/738

124話 新時代の古式遊戯 08



再度突入して来る騎馬を、ある程度引きつけておいて。

俺は身体(からだ)(ねじ)り、尾を旋回させる。


地を(こす)りながらの、薙ぎ払い。

大質量に物を言わせた、致死攻撃。




───さあ、どうする。

───()けなきゃ、『痛い』どころじゃあ済まねぇぞ?




黒馬の軌道が、瞬時に変わった。


回転方向に合わせて、背を向ける形で曲がる。

速度の出ている尾の先端ではなく、付け根側にコースを取っている。


しかも、俺の噛み付きを警戒した、絶妙な距離感。




───もう、間違いない。

───こいつ、超一流の軍馬だ。




この現代に、本物の竜と正対して。

これ程まで動ける馬が、世界に何頭いるだろうか。



手綱を握ってるだけで、(ろく)に指示も出せない『騎士』を乗せて。

俺の挙動から素早く判断し、動きを変えている。


1回の突撃(チャージ)で1回、必ず騎士の利き手(右側)が向くように。

踏み付けがし難いよう、前脚と後ろ脚の間に一瞬だけ喰い込むように。


せっかく作った攻撃タイミングを、騎士が何度外そうと。

腐ることなく、焦ることなく、自らの職務(しごと)を正確にこなし続けている。




《もしも、この馬に『本物の騎士』が乗っていたら》。




───背筋に、寒気が走った。




世界最高峰の軍馬と、竜殺し(ドラゴンキラー)

この2つしか揃わなくて、俺は幸運だったのかもしれない。




───もはや、手加減は無しだ。



───味わって貰おうか。



───灼熱の、竜息(ブレス)を!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ