1-1、平和な日常
やっとこさ就活が終わり、これからは定期的に投稿できるかと思います。完全に趣味での活動なので面白くなかったらすいません。
窓を開けると、街で開かれている市場に折る人々やこれから仕事に向かう冒険者たちの声で賑わっていた。
「もう朝か」
朝というには少し遅すぎる気もするが、しょうがない。なんせ、昨日は、日付が変わるころまで仕事をしていたから。そう仕事のせいだ。俺は悪くない。
「さてと」
徐々に覚めていく視界の中で、ベッドに目を向けると、シーツを頭まで被り、すやすやと寝息を立てている少女に声をかける。
「そろそろ起きるよ ローズ」
俺の声にわずかに反応したローズはもぞもぞとシーツから顔を出し、まだ眠そうな目をこすりながらこちらを見ていた。
「ふぁ~、おはよ・・、お兄・・ちゃん」
どうやらまだまだ眠いらしい。この様子だと昨夜は俺を待っておそくまで起きてたのかもしれない。再度目を閉じようとしているローズをベッドから下ろし、その小さな手を引きながら、洗面台に向かう。
「ほら、顔を洗って、ご飯にしような」
「うん・・、ご飯食べるう」
顔を洗い、ローズは、最近お気に入りらしい白いワンピースに着替え、俺はというと仕事着に着替え、部屋を出た。
ローズの手を引き、同じ建物内にある食堂に向かった。
食堂の扉を開け、中に入ると、さすが昼時、冒険者やらたくさんの人であふれかえっていた。
「おう、今起きたのか?アル坊」
カウンターの前まで行き、声をかけてきたのはこの食堂の料理長であるローラン・グレイスだった。
「おはようございます。おやっさん」
「おはよう!ローランおじさん」
「おうおう、おはよう。ほら、飯はいつものでいいか?」
「はい。お願いします」
ローズと二人で席に着き、周りを見渡すと、冒険者たちはここ最近の中で一番活気であふれていた。
それもそうだろう。ここ数日の間にこの街の冒険者たちの稼ぎ場である森周辺で異常が起きていたため、ギルドマスターが国に要請し、応援としてやってきたSランク冒険者が昨日その異常を解決した。
まあ、その後始末をしていたために俺は昨日、帰りが遅くなりこんな時間に起きることになってしまったんだが・・
俺の寝不足の原因である出来事に理不尽な恨み言を唱えていると、食欲をそそる香ばしい香りが近づいてきた。
「ほら、いつものエッグプレートとパンとスープ、ローズちゃんはオムレツとクロワッサンとポタージュね」
俺たちのもとに食事を運んできてくれたのは、ローランさんの奥さんのレーラ・グレイスさんだった。
「わーい、いただきます!」
「ありがとうございます。レーラさん」
「ふふ、よく噛んで食べるのよ」
見た目がクマの様なおやっさんから想像もできないほど、レーラさんは美人で、どうやって出会ったんだろうかというのは、この食堂利用者の中でも長年の疑問である。
この食堂はこの街のギルド内部にあるため、基本的に利用者は多い。ただギルドの中にあるからという理由で人が多いわけではない。グレイス夫婦の料理は本当においしい。この街でもかなり有名で、実際に周りでもたくさんの冒険者やギルド職員がおいしそうに料理を食べていた。
そして、食堂の入り口から、俺と同じ制服の女性が辺りを見回し、たくさんの冒険者やギルド職員の中から、俺たちを見つけ、駆け寄ってきた。
「あっ、やっぱりここにいたのね。アル君」
彼女は、マリアベル・リース。このギルドの看板受付嬢で、俺の上司でもある。そう、俺はこのギルドの職員であり、さらに、俺には普通の仕事内容とは異なった業務があったりし、彼女から頼まれる仕事は大抵そっちの仕事だったりする。ほら、なんかニコニコしながら近づいてきたよ。
マリアベルはアルフォードの前まで歩いてくると、そのきれいな声と誰もが見とれるようなほほえみでアルフォードに告げた。
「出番だよ。ギルドの案内人さん」
少しでも面白かった、続きの気になる方がおりましたら、次話も読んでいただけましたらうれしいです。