第2話 散歩に出掛けよう
朝になれば、僕たちは起きる。
今日は少しだけ僕の方が早かったみたいだ。
となりでリーシャが可愛らしい寝息を立てている。
さてと、僕はそのまま台所に向かい、簡単に朝食を作る。
2人分の朝食が出来た。リーシャはまだ起きてこないみたいだから先に食べちゃおう。
僕がこの街に辿り着く前の記憶っていうのは、ほとんどないんだけど、その当時もこんな朝食を作っていた気がする。
サクッと朝食を済ませ、家の隣にある菜園に向かう。
この世界の住人はほとんど自給自足で生活を営んでいる。
基本的に僕は毎日、この菜園の管理を行なっている。
この世界には、魔法という便利な物があって菜園の管理を行なっているとはいっても、決められた呪文を適当に詠唱するだけだ。
小一時間ほどで、作業は終了した。
さて、ここらへんでいつも僕は暇になってしまう。
家に戻るのもありだと思うんだけど、昨日のこともあって、また壁の外へ好奇心が湧いてしまった。
僕にはこんな日が結構あったりする。
さて、こんな日はどうするかというと、敷地の外に出て、未だ通ったことのない道を散歩するのだ。
今日こそは壁の外を覗く事ができるだろうか。