底辺だけれど創作論を語りたい.α
面白い作品には、共通項がある。
作品の要素に隠れているが、確かにある。
これは俺の好きな漫画や小説。逆につまなかったと思う作品と共に自身の失敗から導き出された考察をまとめた創作論であり。作品の魅力を最大限に伝える為の要点だ。
それは。
・テーマを決める事。
・キャラクターに特徴がある事。
・文章は簡潔に分かりやすくする事。
俺が至った答えは、この三要素だ。特に『なろうテンプレ』と称される作品は、この要点を綺麗に踏襲している。それは、聞いたり読んだ事のある皆は何となくでも分かるだろう。分からない場合は、感想をくれれば返信で説明しよう。
という事で、報告は以上となる。
訳だが、伝えた所で意図を汲めるかは違う。
故に、補足となる説明を記していこう。
①
では、まず始めに。
そも『テーマ』とは何かという話をしよう。
作品の『テーマ』とは『魅力』や『楽しんで貰いたい部分』とも言い換えて良いだろう。中には違うと主張する者もいるだろうが、初心者なら『魅せたい部分』と考えておいた方がいい。そして、この『テーマ』とは創作の書き出しなどよりも、改稿や添削の時に本領を発揮する。
底辺作品の中で唐突なギャグ展開をして、シラけさせしまう悲しき事件がある。それは書いてる作者は楽しいのだが、読者がついていけずシラけてしまう事であり。そして、シラけない場合もある。
これは『テーマ』から繋がる作品の雰囲気による所が大きい。他には余計な説明を省き、目安とする事が出来る。
何を魅せたいのか。
何を楽しんで貰いたいのか。
読者に何を感じて貰いたいのか。
テンプレを例として。
『追放』『ざまぁ』なら、成り上がりのワクワク。
『ラブコメ』ならキャラ同士の関わり合い。
『復讐物』なら復讐劇となるだろう。
この『テーマ』を決めるだけでも作品に一貫性が生まれ、読者に『ここが面白い』とあらすじを書く時も要点をまとめ、伝えやすくなる。もしこれを自分には無理そうだと思ったなら『自分が書きたい場面』を想像すればいい。更にその場面の何がエモいのか。萌えるのか。をより深く考えれば、自然と書きたい物の本質が見えてくるはずだ。
例えば。
二人の男が戦う場面を書きたい。とする。
それは。
・師弟同士の稽古。
・ライバルとの決闘。
・敵との命をかけた死闘。
・異能を使ったバトル。
・純粋な殴り合い。
様々な場面が存在するだろう。
だが、本質は違う。描きたいものは他にある。
師弟であれば、稽古中の教えや互いの信頼を。
ライバルなら、互いに持つ意地のぶつかり合いを。
敵との勝負なら、命をかけた信念を。
異能ならば発想や読み合いを。
純粋なバトルは、勝負の熱闘を。
たった一つの場面でも、本当に書きたいのが『勝負』そのものなのか『人間関係』なのか『心情や生き様』なのかさえも違うのだ。物語の『テーマ』によって、勝負そのものが蛇足な事さえある。
その差配を決めるのが。
『テーマ』『魅せたい部分』だ。
最初の方は『テーマ』を考えて書くよりも、何も考えずに好き勝手に書いて、その後に『テーマ』に沿った添削を行い。こっちの方が伝わる。こっちの分は余計かも知れない。
そういった判断を下すと良いだろう。
そして、慣れてきたら『テーマ』を考えて執筆する事に挑戦したり『テーマ』に準じた物語を構想して行くと全体的にまとまりが生まれる。一話目の構想として『テーマ』の輪郭を捉えておけば、何を見て欲しいのか要点を掴め。物語にも一貫した関連性が見せられるようになるだろう。
②
そして、テーマと同じく大切な事がある。
それは、キャラクターについてである。
なろうでは無味無臭のクセがない主人公が流行っていると言うけれど、それは誤りだ。それは『テーマ』にそった主人公であるからこそ、そう言った主人公であった方が良いというだけに過ぎない。
①で語ったように『テーマ』で考えた方がよい。
俺の失敗として『無力な主人公が頑張ろうとして空回りしてピンチになる』作品を書こうとしたのだが、俺が本当に書きたかったのは『人間関係』であり、同じ組織内での抗争やギスギスした雰囲気。誰が敵で、誰が味方かも分からない。
そんな『様々な思惑』であった。
要するに、主人公とテーマがチグハグであり。
何を楽しんで欲しいのか、曖昧となっていた。
この失敗は『テーマ』を把握していれば、事前に対処できた内容だ。これが難しいと思うなら『テーマ』に理解のある主人公にした方が良いと言えば、伝わりやすいだろう。
人間関係なら、交流したい存在を。
純粋なバトルなら、バトルジャンキーを。
様々な思惑なら、組織で成り上がりたい者を。
コメディは求める物と形が、歪だからこそ面白い。
後は、主人公に『求める物』を持たせる事だ。
それは『目的』と言い換えても良いだろう。
今のままでは『テーマ』だけがあり、作品全体の枠組みのみが出来上がっているに過ぎない。それは作者が求める物であり、決して主人公が求める物とは限らない。
バトルジャンキーであっても、強さを求める者もいれば、戦いそのものや発想。命を燃やす刹那の熱情。尊ぶべき好敵手を求める者もいる。
求めるからこそ、主人公は動く。
守ろうとするから、主人公は思案する。
自発的であろうが能動的であろうが『目的』『譲れない部分』は誰にだってある物だ。そこへ『魅せたい部分』を落とし込めれば、面白い作品となるだろう。
③
さて、では最後に文章力の話をしよう。
まず文章力とは、物を美しく描写する事ではない。
伝えたい事を文章で伝える力。それこそ文章力だ。
簡潔で分かりやすく、明確に伝える。
これは先に語った『テーマ』を主軸として添削する時に気にすれば良い。文字数が多すぎると思った場合は、不必要な主語を削ってみたり、修飾語を削ってみたりするとスッキリした文章となる。書き出す時にも、文章の内容を一節でまとめれば何を伝えたいのか整理しやすくなるだろう。
こう言った部分は、感性による所が大きい。
採用するかしないかは、個人の判断で良いだろう。
だが、文法で個性を出すのは悪手と言っておこう。添削して読み易さなどを考えていると、自分の癖という物に出会う事になる。皮肉な事に、必要な文体や伝えたい内容だけを取っても個性が残るのだ。
そんな添削しても残るような個性の塊に、個性を足せば尖った事になる。作品よりも作者を魅せたいのなら良い手だが、作者が透けて見える作品となる事を理解しておくと良いだろう。
他にも、文法や書き方などがあるが。
それは他のなろうエッセイで、探して欲しい。
今回の創作論を試し、失敗した場合。
感想欄やDMで良いので、報告してくれるとありがたい。何故ダメなのか。事象を精査して創作の糧としたい。感想も基本的には返す方針なので、これはどう思うかと聞いてくれれば応える気だ。
それと、これはあくまで。
『面白い作品を形にする』為の創作論だ。
『なろうで受ける作品を書く』創作論ではない。
創作論を試してみて、意見が欲しいと思った場合は俺にDMしてくれていい。暇なら読んで気になった部分や疑問に思った程度をDMで返信する気ではいる。
その時は、あくまでも一意見として聞いてくれ。
自薦はやめろ。
面白くなかったら申し訳ないし。
面白かったら、それはそれで癪だ。
という事で、補足終わりっ!