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2、転生先を自分で決めたかったです

再度目が覚めると、見慣れない天井、見慣れない室内、見慣れないベッドに横たわっていた。


まじ勘弁、気を失う度、ワープでもしてんの私?

疲労が倍増する。知らない場所へのストレスが爆発寸前であります。


更に目を開いた瞬間から見えるこの男性の存在が恐怖です。

先ほどの茶髪の青年ではなく。

この男性は先ほど口添えしてくれてピンチを救ってくれたのですが椅子に座り私を凝視しているこのおかしな状況に頭がついていかず思考が停止しています。


「オワッ!」


思考が回復した私はびっくりし、反動で起き上がって気が付く。頭痛や吐き気は消失しており身体も随分楽になっているようだった事に。


「3日、だが。」


私の挙動不審を無視して男性が言う。


「3日?」


「お前はシャワールームで頭をぶつけ、3日寝たままだった。」


そういえば吐いて、、、、シャワールームでアレが!


バッと布団をめくり自分の股間を確認する。恐る恐る触れるとやはりソコには男性の象徴が確認できた。


なんで?

なんで?

なんで?


私、女の子だったはずなのに!


「なぜ、ソレを触る?」


言われてバッと布団で隠す。人前でなんて事してんだ、私!

恥ずかしさに、涙ぐんでしまう。

泣くな、泣くな!今まで病院で沢山泣いてきたじゃないか!!

ましてや、見知らぬ人前で泣くな!


「、、、お前、、、トイレは右手だ。」


何を勘違いされたのか男性にトイレを勧められ。


仕方なしにトイレへ向かう。


あれ?力が入らない。


立ち上がると膝がガクッとしてなかなか歩けずいると


「寝たきりだったから力がはいらないのだろう、、、」


と、男性に肩を貸してもらいトイレに連れて行ってもらう。


トイレと言っていた場所はトイレとシャワールームが併設された3日前に居たであろう部屋と雰囲気は違うが同じ作りだった。


「、、、何故座る?」


トイレで便座に座ると男性が尋ねる。


今まで女の子として生きてきた私としてはこれが普通なんですけど。


てか、男の子ってどうやっておしっこするわけ?

てか、この人いつ出て行ってくれるの?


座りながら男性を見上げると怪訝そうな顔で見下ろされ。


「こういうスタイルです。」


「お前は昔から立ってする派だろうが。」


、、、なんでもいいから!座ったらなんかおしっこしたくなっちゃったし!


「これがいいのっ!」


涙ながらに言いくるめ男性をトイレから追い出すとズボンを脱ぎ、便座内におしっこが入るようソレを押さえる。

やっぱり付いてる、、、


チョロチョロー


っておしっこが出る。無事にミッションクリアです!


まじまじと自分のソレを見るとなんとも言えずおぞましく、、、

そっとズボンを履いて見ない事にした。


トイレのドアノブに手をかけ正面を向くと至近距離に見知らぬ誰かと目が合う。


「おわっ!?」


ビックリして腰が抜ける。


「どうした!」


直ぐ様、男性が入ってきて腰が抜けた私に詰め寄る。


だけどそこには見知らぬ誰かは居なくて、、、、


「まさかお前、、、自分にビックリしたんじゃ、、、」


男性に抱えられ、トイレのドアノブを再度握ると鏡があり、男性と見知らぬ誰か(多分自分)が見えた。


私は今、私ではない誰かになっている。男性のソレもついた私ではない男性になっている!!


この男性はこの私を知る者なのだろう、扱いが気の知れた仲といった感じだし。


椅子に腰掛けるとテーブルにはお粥が用意されていて、お粥を見た瞬間にお腹がぐ~と鳴った。


「食うか?」


男性に差し出されたスプーンをもらいお粥を食べる。


「おいひ~」


あっという間にお粥が無くなり。


「、、、まだ有るが?」


と、鍋ごとテーブルにお粥を持ってきてくれたので鍋ごとお粥を食べる。


「おいひいですっ」


無我夢中で食べる私を男性は正面に座り肘をついてひきつりながら私の食べる様を見ていた。


「ご馳走様でした!」


結局すべてのお粥を食べた私を嬉しそうに男性は見つめる。


「どうしました?」


尋ねると、


「いや、なんでもない。」


と、表情が戻り、


「まだ無理はしないほうがいい。俺が世話をするからお前はこの部屋で休め。」


は?


俺が世話をするから?

この部屋で休め?


私が?

この人に?

世話になる?


いやいやいや~無理!


「だっ、大丈ー」


「今から仕事に行かなくてはならない。侍女に世話させるからここで休め。」


私の話し途中でくいぎみに遮られ、男性と入れ替わりに侍女が入ってきた。


「わたくしはこちらにおりますのでご用があればお呼び下さい。」


間違いなく女性のその人はドアの側に立ち言う。


「あ、えっと、あ~、じゃあお鍋洗って下さい。」


「かしこまりました。」


お鍋をキッチンで洗う侍女さんを見ながら今、自分の身に起こっている事を整理する。


私は私ではない

私は竜騎士隊長らしい

私は男性らしい

ここは日本ではないだろう


「私って誰なの?」


独り言だったのだか、思わず口にしていたようで、


「あなた様は竜騎士隊長のミリス様です。」


侍女さんが振り返りながら答える。


「じっ、侍女さん!こっちに座って!!」


キョトンとした鍋を洗い終えない侍女さんを強引に椅子に座らせ、沢山の質問をする。

そして、絶対にここでの会話を口外しないように約束してもらった。


私の名前はミリス

私は竜騎士隊長

竜騎士は騎士の中でも最も優遇される存在で王国の平和を守る者

この部屋の主は近衛隊長のハン

彼と私は同郷出身だが仲が良くないと評判だとか

そして、ここはエムイ王国。周りを海に囲まれた島国だと言う。


これってさ、よく言う、転生ってやつやん!

間違いないでしょ!ねぇ、神様!

なんでしがない女子大生が竜騎士に転生してんの!?

普通、悪役令嬢でしょ!?


転生先、間違ってませんか!?

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