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1、ここは天国ですか?

マジか、マジか、マジかーーーー



考える事がどうしても出来ないこの状況をどうとらえるのが正解か?


「どうした、そのような顔をしても決定は覆らぬぞ。」


冠をつけ、どうみても王様な出で立ちの男性が凄まじいオーラをまとい、私を見下ろしながら言う。


そのような顔ってどんな顔してる訳?

てか、ここどこ?病院じゃ、ないよね~?

てか、私、さっきまで病院にいて、家族に見守られながらたぶん天国に旅立ったばっかりでさ。

病院で家族と涙のお別れをしてさ、短い人生を終えたばっかりだった気がするんだけど。

もう少し余韻に浸りたい所なわけさ、短い人生を振りかえる時間は死んだらないの?

まずさ、なにこれ、この状況、訳がわからないから。考える事さえ忘れてしまいそうなこの状況。


「これ、何か言うが良い。」


王様の脇に立っていた地位の高そうな老人が言う。


何かって何を?

てか、どんな決定がなされたのか教えてください~

なんでこのタイミングなのぉ~


ボソッ

「ありがたきしあわせ、」


私は王様らしき人の前にひざまついていて左側にはズラリと騎士らしき人達が並んでいる。

チラ見する限り皆さん、ピシッと直立してて動いてないよね?

生きてますよね?


キョドる私に向かって真左側から誰かが何か言ってる。


ボソッ

「ありがたきしあわせ、と言え。」


「あ、ありがったきしあわせ、」


私が言うとワーと歓喜が起こり、この場にいた皆が酒を酌み交わし祝福を称え始めた。


この場にいる皆さんの視線から、鎮圧から逃れられ、ホッとして、先ほど口添えしてくれた男性に駆け寄る。


「あっ、あのっ、」


先ほどの男性は私をチラリと見ると立ち去ってしまった。


、、、ので仕方なくこの場を見渡すとなんとも華やかな室内。どこを見てもキラキラ輝いている。

私が知る限り日本じゃ、ない。場にいる皆さんも黒い髪、黒い瞳ではないし。

ここは日本ですか?

そもそも天国に召された者は皆さんこちらに集合するのですか?


あっ!わかった。さっきの王様らしきひとが神なのですね?

で、私は天国コースでいいのかな?地獄コースだったらもっと絶望的な状況になりますよね?

永遠に火に焼かれるとかさ、よくわかんないけどスッゲー辛い思いしそうじゃん?

ほら、今なんかよくわかんないけど祝福されてるし、ね!


ここが天国なんですね!もうそうしましょう!


「これからは私の分まで頑張るのだぞ!」


背後からバシッと肩をどつかれ、片腕がない騎士のような出で立ちのおじさんが言う。


「まぁ、お前が竜騎士隊長になったんだ。心配不要だな!」


ハハハと、一方的に言うと返事も聞かずに酒を飲みに行ってしまった。


は?竜騎士とは?

ここ、天国でしょ?ねぇ、違うの?


「隊長!酒飲んでますか!ほら、今日は隊長の祝賀会です。沢山飲んで下さいッス!」


ニコニコした茶髪のきしゃな男の子が仁王立ちしかできない私に酒を渡しながら言う。


あのさ、君、見た感じ未成年じゃないの?なんか楽しそうだよね?顔が赤いけどお酒飲んだでしょ?


てか、私、飲めないし。


「いや、え、」


未成年の登場を皮切りに、わらわらと集まる騎士らしき者達により渡された酒を飲まざるを得ない状況にされる。なぜなら皆さんの期待の眼差しがそういっているから。

しかたなしに、この状況を打破するために、ゴクっと酒を飲み干した。


「さすが隊長ッス!さぁ、まだまだありま、、、あれっ、隊長!!」


そして、一杯の酒で意識を失いました。



ーーーーーー


目を覚ますと激しい頭痛に襲われる。


「うっ、」


激しく吐き気もする。

どこか吐ける場所をと室内を見渡すとそこは先ほどの場所ではなかった。

ええーっ、どうなっているの?!


「大丈夫ですか?」


「うっ、」


ボトボトと不愉快な音を鳴らし返事も出来ず吐物を吐き出してしまった。


「あぁ、大変だ!」


と、知らない誰かは私に駆け寄り必死に背中をさする。


「うっ、」


残りの吐物を吐くともう胃の中に何もないのか嗚咽はするが吐くことはなくなった。


「もう、大丈夫、、、みたいです。ありがとう。」


背中をさするのを止めベッドの上の惨劇を見たその知らない誰かは、


「これじゃ、休めないですね。侍女を呼びますんで、隊長はシャワーに行って下さい。」


ど、シャワーを促すが、私は激しい頭痛で動けずにいた。


「すぐ戻ります!」


知らない誰かはパタンと部屋から出る。

きっと侍女とやらを呼びに行ったのだろう。


私はと言うと混乱する頭、激しい頭痛、吐き気のトリプルプレーにより身動きが取れずにいた。

ここは12帖ぐらいの寝室で正面にはもう1つ部屋がある。寝室の右側の扉はシャワールームだろうか、左側にはクローゼットがある。

、、、のかなくらいは見て考える事ができた。


でも、神様、一体、ここはどこなのですか?


「隊長、立てますか?」


見知らぬ誰かはいつの間にか戻ってきており私を支えるとゆっくり歩き出した。


「隊長になると個室がもらえるんですよね~羨ましいッス!」


その言葉にここは自分の部屋なんだと理解する。

自分が隊長とやらならば。

ニコニコしながら言うこいつはよく見たらさっき私に酒を進めてきたあの未成年だった。


「おま、、、え、」


「さぁ、着いたッス。」


シャワールームは室内にあり数歩で入り口に到着した。


「、、、今日はご褒美ッス。」


カチャとベルトを外し、ズボンを脱ぎ、抱きつく未成年。


は?


「隊長のここ、今日は元気ないッスね、、、、」


と、私の股間を触る。


ゾワゾワーっと血の気が引くのがわかったのに、その刺激は股間に血液を集中させ、一気に何かが反りたつ。


「あ、元気になった☆」


同時に寒気に襲われる。


なんで、私に、男性のソレがついているの?


上から股間を見ると間違いなく膨らみが確認出来る。


「うわああああぁぁぁ!!!」


絶叫し、吐物まみれの私はシャワールームに倒れ、また意識を失った。



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