謝罪と感謝の手紙。
何となく朝の5時にぼーっとしながら書いたものなので、おかしな文だったらすみません。
誰かの心に刺されば嬉しいです。
3/29 改稿しました。
展開が早く、共感がしづらくなっているとご指摘を受けた為、一部文言を追加、多少マシになりました←
魔法の存在する不思議な世界。
そんな世界にあるとある国のとある街。その街はタルタロスと呼ばれていた。
その街は女子供であろうと働き、屈強な男は兵として育て上げる。そんな街であった。
その街に住む一人の病弱な少年。
少年はその体の弱さから兵士にはなれず、日銭を稼ぐ為に物資を届ける仕事をしていた。
ある日少年は街から数百m離れた森の奥に住む薬師から薬を受け取ってくるよう仕事を仰せつかる。
そんな場所に本当に薬師が居るのか。と、疑問を抱きながら少年は職務を全うする為に森へと入った。
言われた通りの場所に小屋を見つけた少年は、薬を受け取る為にその薬師を尋ねた。
ノックをして声を掛け、数分待つと中から出てきたのは見目麗しい、まるで天使のような少女であった。
何か用ですか?と少女に尋ねられたので、少年は薬を受け取りに来たのだと説明をする。
薬なら渡さない。と、少女は頑なに拒んだ。
少年は訪ねた。何故渡してくれないのか、と。
少女は答えた。困っている病人や怪我人を救う為に作っているのだ、決して戦争を長引かせる為のものでは無いと。
少年は説得を試みた。その薬を渡してもらえなければ日銭が貰えない私は体が弱り病気になってしまう。あなたの薬で私を救ってくれと。
それでも少女は薬を渡してはくれなかった。
日が傾いていたため、その日は諦める事にした。
少年が帰ろうとしている時に、少女は一本の薬を渡してきた。
薬を渡しながら少女は言った。その薬を飲めばあなたの病弱な身体はたちまち健康な体に戻るでしょうと。
少年は半信半疑で薬を飲み、少女に礼を言ったあとで街に戻った。
次の日。少年は見違えるほど体が軽く感じ、きっと少女の薬のおかげなのだろうと即座に思い至った。
どうしてももう一度お礼を言いたくなった少年は、昨日と同じ仕事を請け負い、少女に会いに行った。
小屋を尋ね、少女と顔を合わせると薬なら渡しませんよと少女は言い張った。
薬はもう取りには来ないよと少年は少女と約束を交した。
その日は少女の小屋に泊めてもらい、一日ずっと少女と他愛のない話に花を咲かせていた。
次の日、その次の日と少年は少女には会いに行かなかった。
いや、行かなかったのでは無く、行けなかったのである。
あまり連続で少女の元へと行っていたのでは街の兵士に怪しまれてしまう。少年はそう考えたのだ。
それに他の仕事をしてお金を貯めておかないと、病弱ではなくなったとは言え餓死してしまう。
少女にこれからも会うため、そう思いその日少年は我慢をした。
その代わりに他の仕事を一日中こなし、数日は働かなくてもいいようにお金を貯め始めた。
少女に会い、数日は働く。そんな日々を繰り返していた。
ある日、少女と会い語らっていた少年は、自分の中で何か変な感情が芽生えていることに気付いた。
少女と一緒にいるとざわつく、けれど決して嫌いではない感覚。
これは一体何なのだろう。病気なのか。
少女に打ち明けるべきなのだろうか。
そんな事を考えたが、不思議と今は打ち明けてはならない。そんな気がした少年は、その気持ちを抱き続けたまま、その日は街へと帰っていった。
次の日。少年が少女の元へ行く途中、突然兵士に拘束された。
少年が働かずに少女と遊んでいた事がバレたようだった。
罰として少年は兵士として戦争に赴く事になった。
少女が少年の事を知った時にはもう手遅れで、少年は帰らぬ人となっていた。
その日から少女は後悔をしていた。
あの日あの時、少年に薬を渡していれば少年は戦争へ行くことなく平和に暮らせたのではないか。
私が無駄な意地を張らなければもっと少年と話せていたのではないか、と。
そして何より少女は少年に少なからず好意を抱いていた。
大切な人を亡くしてしまった、それも自分が意思を貫き通したことによって。
そんな事をしてしまった自分に無性に腹がたった少女は、気を紛らわせるために眠った。
そして少女は夢を見た。少年と少女が笑いながら楽しい話を語らい合う夢を。もう二度と見る事のできない夢を。
そして少女はそのまま夢から目を覚ます事はなく、人知れずに森の奥で息を引き取っていった。
その左手には劇薬が入っていた容器が握られており、そして右手には少年への謝罪、そして少年への気持ちを綴った手紙と、少年が戦争に赴く時に少女に向けて書かれた手紙が握られていたのだった。
『あの時、僕の身体を治してくれたこと。感謝してもしきれません。僕は戦争に行くことになり、多分帰ってくる事は無いけれどこれだけは伝えたい。僕は、君の事が好きだ。愛しているよ。もう会えなくなってしまったけれどいつも天国から見守っています。それでは、さようなら』
まだまだ描写不足ではありますが、この作品を楽しんで頂けたのであれば幸いです。
ぶっ刺さった方は是非評価、レビュー等お待ちしておりますのでよろしくお願い致します。