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7. 残っていたイベント

 なつきと学校に向かっている。

 なつきと、というよりはなつき達と、って感じ。

 ヨシコちゃん、てる坊、今日はヒデジも一緒に登校している。

 まあ、しばらくはその方がマシかもしんない。

 二人きりになるよりは。 

 

 1ヶ月、それだけ乗り切れば地球滅亡なんて事態は回避できる。

 世界が正常化さえすれば、後はどうとでもなるだろう。

 とにかくその間、俺が女とバレなければいいだけなのだ。


 修学旅行もプールも運動会も終わっている。

 大きなイベントは終了したので、気を付けるのはトイレと直接胸を触られる位か。


 葉月の話では、俺が過去に戻った時点で魂は上書きされているらしい。

 魂は一つなので小学生の人格が別に……なんて事はないという。

 オレンジの日を無事終えた以上、色々制約してたり秘密だったりしてたのも教えてあげる。

 と、あの方の残滓がおっしゃってるんだと。

 随分とお優しいなあ。


 歴史の改変が危険なのも分かっているし、葉月の居ない世界なんてのも考えられない。

 だから男に戻っても、これから起こる出来事を知っていても、俺は余計な行動は取らないだろう。

 

 そんな事をあれこれ考えていると、途中でとん吉コジローが合流する。

 アイツは自分のせいで婆さんが死んだんじゃないかと責任を感じていたらしい。

 そこは俺もなつきも強く否定して、なんとか表面上は普通に接して来ている。



「ヤエ、こんな事になったけど、今年はおじさん参加出来るのか?」


「はあ?」


「稲刈りだよ。去年は指導してくれたろ」


 そうだった!

 すっかり忘れていた。

 やってた稲刈り。

 つーか田植えもやった!


 学校のすぐ脇に小振りなうちの田んぼがあった。

 八重洲家にはメインに作る家近くの2たん、約2平方キロの田んぼの他に、飛び地みたいな小さめの田んぼがいくつかある。

 学校脇のは一番小さく、前は菊を作っていた。

 父は学生時代から花作りが好きだった事と、小さいのでコンバイン等の機械を操作するのが面倒だった為だ。

 

 どういう経緯か学校に頼まれ、体験学習として5年生の時から田植え、稲刈りをうちでやる様になっていた。

 小学生が手で植え、手で刈るので、小さな方がいいのだろう。

 何年位やっていたのか。ヒデジ在校までだろうか。

 今ではまた菊畑になっている。


「そっか~、懐かしいなあ」


 すっかり忘れていただけに、郷愁みたいな物を感じてしまう。


「おいおい、去年の話だろ~」「ぷふふ」


「俺には30年も前だっつーの」


「あ、そうでした」


「「「あははははは」」」


 わざととん吉がおどけてくれて、3人は数日前の様に笑い合う。

 この半年間、こっち側の俺も皆との絆を深めていったはずだ。

 きっと、もっと自然に、なつきと笑顔を交わせる様になれると信じたい。

ともかと葉月は新米神様の手下みたいなモンですね。

深くかかわっちゃったんで仕方ないですが、天使って事ですかね?

いや、俺は使徒だな!

と、にやけ顔のともかさんでした。


読んでいただきまして、ありがとうございます。

次話もどうか、よろしくお願いいたします。

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