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クオリファイア・ロッド  作者: 斜志野九星
第5章 ストラグル・アゲインスト・ロッド
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第38話 ハビット・オブ・ロッド

「ふあああああああああああああああああ」

 大きな欠伸をして、俺は目を覚ました。

 あれから、俺は疲れ切って寝てしまっていた。

 時計を見ると、もう12時になっていた。

 母さんは、もう俺を起こしてくれないのか……

 失ってから、初めて母さんの大切さに気付いた。

 当たり前のように母さんに起こされていたが、それも母さんの優しさがあってこそなんだな……

 そんなことより、お腹がすいた。

 朝ごはんは自分で作るしかないな……

 確か、パンがまだ残っていたはずだ。

 それで、用を足そう。


 ふう。

 特に料理が作れるわけじゃないから、朝食はパンだけになってしまった。

 思ったより、お腹に溜まるんだな……

 それでも、パンだけだと飽きちゃうし、いい加減料理作れるようにしよう。

 さて、今日はどうするか……

 いつもだったら、神上未咲が来て俺が外に引っ張り出されるんだが……

 ん?

「神上未咲がうちに来てない!」

 どうして、起きた時に気付かなかったんだ!

 昨日も一昨日も、神上未咲は何故か朝早くにうちに来ていた。

 そのせいで、俺は早起きを強いられて色んなところに引っ張り回された。

 だけど、今日は神上未咲が来ていない。

 昨日なんか、俺の部屋に入ってきたくらいなのに……

 そもそも、神上未咲と俺が一緒に行動しているのは、俺が神上未咲の言いなりになっているせいなんだけど……

 ひょっとして、神上未咲に何かあったのかな?

 それとも、単純に神上未咲が寝坊しただけなのかな?

 昨日は慣れない場所に行ったわけだし、疲れ切ってしまっていても何ら不思議はない。

 じいちゃんの友達に振り回されて、俺も疲れ切ってしまったくらいだ。

 疲れていなかったら、母さんについてもっと考えていたと思う。

 とにかく、『神上家』の屋敷に行ってみるか……


 そういえば、昨日アレックスさんが言った予想。

 確か、「飯地が魔法を使って木丈霞町を壊そうとしている」だった。

 本当に飯地は、そんなことを狙っているんだろうか?

 何かに絶望しているのは間違いない。

 そして、飯地の発言からすると、『魔女』に絶望したのも間違いない。

 だが、木丈霞町を壊そうとしているとは、とても思えない。

 根拠は特にないが、何となくそんな気がする。

 それに、やっぱり一番引っかかるのが「結城のため」だ。

 いったい、木丈霞町を破壊して何が「結城のため」になるんだろう?

 もっと、別の大きなことを飯地は狙っているんじゃないか?

 それが何なのかは全く分からないけど……

 道を歩いていると、地蔵が見えた。

 そういえば、木丈霞町の地蔵は『魔女』が儀式を行うための目印なんだったな。

 地蔵を目印に魔法の範囲を決めるだとか……

 本条さんの説明だったが、あながち間違いじゃないかもしれない。

 木丈霞町の地蔵の大半は、地区の境目に置かれていることが多い。

 それがただの偶然じゃなくて、『魔女』の儀式のためだったら、納得できる。

 地区ごとに儀式を行えば、『神上家』も分かりやすいだろう。

 というか、『魔女』の儀式のために木丈霞町の地区分けがされたと言われても、信じてしまいそうだ。

 俺、すっかり木丈霞町を疑う側の人間になっているなあ……

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