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見たこともない大金

「我慢とか

そう言う事ではなくてですね」


そう言いながら雷馬を見たすみれは雷馬の綺麗で黒目がちな瞳に、知らず知らずのうちに引き込まれてしまっていた。


ーーーなんなの!この人!

勉強が目的じゃあないの?

今!鼻にキスって!

しかも極上なキスは我慢しろとか訳わかんない!



「すみれ 、お前を屋敷へ連れて来た理由は勉強の為じゃなく他にある」


すみれは真面目な表情をする雷馬を見た。



「才女で汚れてない女。見た目は……まあ、ぼちぼち? 花岡すみれ、お前を俺の女にしてやる」



「は? 何言ってんの?」


雷馬は、すみれの手を握ると手の甲を持ち上げ、すみれの顔を見つめながら、そっと手の甲へ王子様が王女様にするみたいに、うやうやしくキスをした。


「俺に選ばれたんだ。たいへん光栄に思え」


すみれは、この屋敷にきてからの無駄な一連の出来事にとうとう頭にきていた。


ーーー呼び捨てだし、なれなれしいし、家庭教師の話なんか嘘だし……。


しかも見た目は、ぼちぼち?とかいわれて。

鼻と手の甲に勝手にキスされたあげく! たいへん光栄に思え?


馬鹿じゃないの?


イケメンだからって、絶対に頭がどうかしてるって!


「私、あなたに選ばれたくもないし、ここに来たのは、あなたみたいな金持ちの道楽に無駄に付き合うためじゃないですから」

すみれは、すくっと立ち上がった。


「わかってる。お前は家庭教師のバイト代が

欲しくてここへ来たんだろ?」


いつのまにかテーブルの上にアルミのアタッシュケースが置いてあり、それを黙って雷馬が開けた。



中には帯封のついた札束がケースいっぱいに詰まっていた。


「これがすみれにやるつもりのバイト代」

すみれは、ごくりと唾を飲みこんだ。


ーーーこんな大金見たの、はじめて……

これ貰えんの?



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