喫茶ファウンテン
その喫茶店は近所でもとても有名だった。
知らないものはいなかった。
今日も遊び半分で来たと思われる二人組の男性客が、からんころんとドアを開けて雑誌の置いてある棚のすぐそばに、一人は「少年モンデー」を、もう一人は「ナッサンスポーツ」を手に持って座る。
そして、立てかけてある手書きのメニューを手にとって暫くブツブツ喋り始めた。
店員は意外と若い綺麗なお姉さんで、水と暖かいおしぼりを持ってきた。
二人は、さっさとおしぼりをビニールの袋から取り出して脂ぎった顔を拭くと、再びメニュー選びを始め約10分が経過した頃にやっと決まった。
二人は店員を呼ぶと、メガネをかけた小太りの男の方が注文の品を言う。
「<バナナミルクサンデーカルボナーラアステカ風ミスティックバカンス>と、<ココナッツヨーグルトチャーハン残しちゃいやよマークⅡ>それに、アイスコーヒー2つ。」
綺麗なお姉さんは、とんでもないメニュー名を言われても顔色一つ変えず、「暫くお待ちください」と言って厨房の方に歩いて行った。
それから約25分後、注文の品がやってきた。
巨大な皿に載せられた、恐ろしい量のさながら油田のごとく油でまみれた食べ物とは思えないようなグロテスクさとかなりヤバい匂いを放つ、2つの料理とも思えぬ料理とコーヒーが目の前に置かれた。
男達は、まず胸ポケットからデジカメを取り出して、その下手物を写真として収める。
彼らの目的の1つだった。2人は今日のブログのネタ画像を手に入れたのだ!
それから、やっと料理に手を付け始める。
彼らも、最初は何とか食べている事が出来た。しかし、それも10分と持たず、2人とも大きな息をつくようになった。わかっていた事とはいえ、ちょっと後悔した。
そして、更に彼らを後悔させる出来事がその10分後に起こった。




