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人外娘さんと真面目にファンタジーしちゃう本  作者: 葛葉龍玄
亡国の魔法騎士

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28/31

ソウマ、出陣

 

 兵の行軍は順調。

 予想通りのタイミングでシスカの町から程よく離れた草原に、ミハエルの軍勢は現れた。

 歩兵、騎馬兵の人間の兵士たち。その後ろから、見たことの無い異形の魔物-おそらく造魔だろう-が控えていた。

 そして、その一番奥。

 これだけ離れていても、その存在感は圧倒的だった。

 10mはあろうか。

 頭に巨大な角を生やし、全てを噛み砕かんとするかの如く上下に生えた強大な牙。

 一つしか無い目は大きく、視野角も広く取れることであろう。

 山のように盛り上がった筋肉は、鋼でできているかのように強靭でその手に握られた武器は、武器と呼ぶのもおこがましい。

 その大きさ、重さだけで、一つの町を破壊できるのではないかという、金属の塊だった。

 サイクロプス。

 一つ目の巨人は広く陣形をとる軍隊の最奥あってなお、一人立つソウマに、あり得ないほどの殺気を送り続けていた。

『やっと着きましたよ、ソウマ君。ツクヨミの街を通してくださって、ありがとうございます。……おや、エグゼ君の姿が見えませんが、せっかくの剣が、完成しなかったのですか?』

 そのサイクロプスから発せられる声は、先日聞いたミハエルと同じものだった。

 ただの怪力だけではない。

 天才と賞された、ミハエルの戦術をそのまま大軍に伝えることのできる、知将でもあるのだ。

 なんという恐ろしい敵なのだろうか。

しかし。

「なに、この程度の兵力なら、俺一人で十分だから、エグゼには休んでもらってるだけさ」

 不敵に笑うソウマ。

 実際。

 剣自体は出来上がっている。

 あともう少し。

 この地にいる、日の大精霊サニーとの契約をしなければならない。

 果たして、この戦いが終わるまでに、間に合うのか?

『さて、この大群を前にお手並み拝見と行きましょうか、ソウマ君』

 10万にも届く大軍を前に、ソウマはただ一人、その孤独な戦いを開始した。

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