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テミスの天秤

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

純文学ですが、恋愛のR15の要素も入ってます。

苦手な方はご注意下さい。


人の思惑が絡む以上、公平とは何なのか。

という問い掛け。

ギリシャで裁判が覆った話をご存知だろうか。重罪を犯し死刑になった娼婦の裁判を無罪にする為、弁護士はその場で衣類を引きちぎった。そうしてその完成された肉体を見た裁判官は無罪に変えた。このような肉体を持つものが、重罪を犯すはずはないだろう。

皮肉にも裁判を司る、目隠しをした女神登場する国の話である。


目の前には絶世ともとれる顔の男が椅子に腰掛けている。彼は蠱惑的な笑顔を浮かべ、私の反応を伺っていた。首の周りには斑に広がる赤い花が咲き誇っていた。

「また私以外の女性と番ったでしょう? 其れを隠す気さえないでしょう? 呆れたものだね」

彼はとんだ浮気性だった。私と籍を入れながらも、退屈を感じるとすぐ他の女性と寝る。寝る。寝る。そして一夜を超えた後、必ず首に鬱血痕を付けて、私の元へと戻ってくる。

籍を入れる前までは遊んでいたのかも知れないが、少なくともその様な分かりやすい証を見せつけて帰って来ることは一度も無かった。全てが始まったのは籍を入れた翌日からだった。

この事から考えるに、絶対に逃れられない相手の嫉妬心を煽りたいだけなのかも知れない。

「目隠しが欲しい……」

「何? そういうプレイ?」

「……君、知らない? ギリシャの法と掟の女神。目隠しをしているのよ。『裁判は外見に惑わされてはいけない』其れを示す為に、自分から目を閉ざした」

人を公平に裁く為に外見は必要ない。犯してきた罪の重さだけで計らなくてはならない。いまその意味をひしひしと感じている。

彼はその言葉を聞いて舌舐りをした。首周りをねっとりと撫で上げると、その色っぽい声音で私に毒を流し込む。

「視覚だけじゃまだ不十分だよ。やるなら声も、匂いも潰さないと。僕から齎される全てを遮断して行わないと。だって君は――」

そう言って私に手を伸ばす。けれども触れる事はしなかった。

「僕の顏だけでなく、この声も、匂いも含めて愛してしまっているのだから。でも其れをしたら残念ながら裁判にはならないよ。

テミスの天秤は一体何によって、移ろうのだろうね?」

最近、SNSで知ったんです。

古代ギリシャの裁判が覆った話。

其れでも目隠し付けた法の女神の管轄か!?

とも思ったんですが、改めて考え直しました。


人は視覚から八割(?)の情報を処理してますが全てではありません。

でも聴覚でも嗅覚でも外界の情報を処理してます。

何が言いたいかと言うと、その人の声が好きな方は声に靡くし、匂いが好きなら匂いに靡く。

つまり視覚を奪っても、他の五感で責められたら、裁判が覆るかも知れないよね? だって惚れた弱みなんだもん。


でもそうして五感全てを奪った状態で、裁判が出来るかと言われればまず無理です。


法は一個人ではなく、数多の人の意見によって叩き上げらたものなので、そこそこ信用して良い。

でも、其れを行使するのが人間ならば、今みたいに覆る。天秤だってひっくり返る。


其れが彼の述べた最後の言葉。

「テミスの天秤は一体何によって移ろうのだろうね?」

法によって移ろっているようで、本当は人の思惑によって簡単に覆るのではないの?

という皮肉です。


寝る前に気合い入れて考えてました。

面が良い。どうしよう。で、止まってました。

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