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シーシーシー短編

作者: シーシーシー

ワンちゃんだって家族なんです


15年前の2月まだまだ寒い日、息子7歳と車で買い物に行く途中、

用水路付近に子犬を捨てている男が、


車を止め声をかけてみる事に。


何してるんですか、こんな所に犬を捨てて、

虐待になりますよ警察呼びますか!


 俺の犬だ何しようと勝手だろ!

 それにもう長くないんだよ。


よく見ると2頭はグッタリあまり動かない、

1頭は辛うじて動いている

分かった売ってくれと一万円札を差し出した。


 あーいいよと金を取り

そのままどこかに消えて行った。


急ぎ3頭を車に乗せ動物病院に、

残念な事に2頭は助からず

1頭だけ何とか助かり我が家へと。


ガンダム好きな息子が名付け親となり、

ずばりダムと呼ぶ事に。


その日から家族の仲間入り

私、家内、息子7歳、娘5歳と

5人家族としてのスタート。


朝5時に私と散歩、

夜7時は私か家内と子供達も散歩に、

寝る時は息子の部屋で。


春には皆んなで近くの公園に花見に、

夏には大きな木の木陰で戯れ、

秋には海風を受け砂浜で駆けっこ、

冬には木枯らしの中震えながらの散歩、


息子が中学生になる頃にダム6歳、

少しお兄さんに。


相変わらず元気に部屋を走り回り、

階段もスタスタと駆け上がり、

食欲も旺盛、

息子と娘とキャンキャンと戯れ

本当の兄弟の様に楽しい日々が流れて。


気がつけば、

息子は社会人に娘は短大生に、

ダムは15歳さすがに、この頃になると

ほとんど一日寝ている事が多くなり。


散歩も行けず庭でウロウロとするだけに、

階段も上がれず誰かに抱っこされ2階へと、


ただ寝るのは息子と15年間一緒だった。


食べる量も減り、柔らかい物に変え

走る事はなくなり。


ある日

庭を歩いていると急に横に倒れ、

ハァ–ハァ−と苦しそうな息づかい、

もう長くないのかなと

悲し思いが頭の中をよぎり。


それから5日後、

夕飯を済ませ

くつろいでいる時に、

ダムがヨロヨロと息子に近づき、

息子が抱き上げると息づかいが

ハァ−ハァ−と、

息子の顔にむかい1回軽く吠え

そのまま苦しまずに、

眠る様に息子の腕の中で逝きました。


息子がダムを抱きしめながら泣きじゃくり、

娘が手を顔にあて嗚咽が、

家内も大粒の涙を流し、私も涙が止まらず、

家族4人が同時に涙を流したのは初めてでした。 


あれから1年経ちましたが、

普通の生活の中にもまだダムの面影が、

家族皆んなの中に•••

ダムが喜びながら庭を走り回る姿が、

たまに甦ってきます。


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