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アリシア

 出産から早くも一ヶ月が過ぎようとしていた。


 その頃には私もすっかりと体力を取り戻し、普段通りの生活が送れるようになっていた。


 何もかもが今まで通りーーーーではない。


 私の生活は以前のそれよりも確実に慌ただしくなった。


 私の娘、アリシアのおかげで。


 ミレニアさん曰く、アリシアはよく泣く子のようで起きている時は私が抱いていないと決して泣くのをやめようとはしない。


 だから基本的に私はずっとアリシアを抱いている。


 たまに私が側を離れ激しく泣き叫んでいたとしても私が抱いた途端、嘘のように泣き止むのは母親として何だか誇らしい気持ちだった。


 その時の、私の姿を探すアリシアがついに私の姿を見つけた時の、あの表情がたまらなく可愛らしいのだ。


 全ての愛を注いで全身で抱きしめたくなる。


 そんな私達の光景を見たオリバーといえば、当然自分も同じように抱きしめようと試みるのだが、抱いた途端にアリシアは烈火の如く泣き叫んでしまう。


 慌てたオリバーはすかさず私にアリシアを託すと、納得のいかない様子で私のことを恨めしそうに見つめてくる。


 まあアリシアからしてみても、決してオリバーのことが嫌いという訳ではないのだろう。ただ単に私ではないから嫌がっているだけなのだ。


 私の代わりは誰にも務まらない。


 やはり命を共にした母親と子供というものは、何か目に見えない絆のようなものがあるのかもしれない。


 これはいわば母親の特権というものだろう。


 だからオリバーは直接アリシアを抱かず、私の側に立ってアリシアをあやすというのが基本的なスタイルだ。


 そんな状態でもオリバーはアリシアを可愛いがってくれている。


 どれだけ泣き叫んで嫌がられようともやはり自分の娘は可愛いのだろう。


 アリシアを中心としたそんな慌ただしい毎日が過ぎていく。


 きっと明日も明後日も邸の中にはアリシアの泣き声と笑い声が響き渡り、その度に私の胸は幸せでいっぱいになるのだろう。


 お父様やお母様。全ての人々に祝福され愛されアリシアは元気に成長していくのだろう。





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