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登場人物紹介 その四

前回同様の登場人物紹介ですが、悪魔紹介が長くなりすぎたため今回は二話に分割となりました。悪魔紹介は次回となります。

 今回の登場人物紹介でも、初登場の人物と前回から大きな変化があったキャラクターのみを記載しております。ご不便をかけますが、他のキャラクターについては過去の登場人物、悪魔紹介を閲覧ください。


天原 翔


 森羅の悪魔の謀略と零氷の悪魔の狙撃に苦しめられたが、擬井制圧(ぎせいせいあつ) 曼殊沙華(まんじゅしゃげ)の力で零氷の悪魔を補足、続く戦闘で討伐を果たした。


 しかし、悪魔達は自身の敗北すらも想定に入れた計画を準備しており、突如出現した星の魔王によって守るべき相手だったレオニードが殺害されてしまう。


 馬鹿正直に零氷の悪魔を追ってしまったこと、自分一人で悪魔を討伐出来なかったこと、レオニードを守り切れなかったこと。様々な後悔を溢れさせながら、再奮起の副作用によって自らも倒れ伏すこととなった。


 目覚めた後の彼は一体何を思うのだろうか。





マルティナ・ラッツォーニ


 翔との戦いでの敗北、そして師匠であるジェームズとの度重なる訓練によって、心理的にも技術的にも大きな成長を果たした。それでも根本的な本質は変わらなかったため、何かとストレートな物言いになってしまうのが玉に瑕。


 森羅の悪魔との戦いでは終始戦略に圧倒されながらも、最後には戦略で上回り致命傷を与えることに成功する。


 けれど、マルティナの戦いはそこで終わりだった。敵を討伐すれば、全てが終わると信じ込んでいた。彼女と森羅の悪魔を分けたのは認識の違い。一方は戦いで、一方は戦いの先を見据えていた故の結末。


 討伐の瞬間に生まれた隙を突かれ、マルティナは至近距離から手榴弾の爆風を浴びることとなる。その後に訪れたのは、自らの魔法である再奮起(リトライ)の副作用。


 今の彼女には一度目の再奮起で誤魔化した致命傷と、二度目の再奮起で踏み倒した魔力切れ、その上で現在の負傷という三度の傷が一気に押し寄せている状態である。


 治療を重ねてもそれ以上に増える身体の傷、魔道具の使用を行えないほどの魔力切れ。もはや治療と言うよりも、死を先延ばしにしているだけの状態。これを回復へと傾けるには、最高クラスの魔法使いの力が必要となるだろう。




再奮起(リトライ)


 国外代表(アウターナンバー)、選択のウィローを討伐した際に、マルティナが手にした新たな力。対象の状態を巻き戻し、負傷や消費した魔力すらも無かったことにする契約魔法。


 これだけであれば恐ろしいほど有用な魔法と言えただろうが、この魔法の欠点として、戻した負債はいずれ訪れる未来で清算を行わなければいけない点にある。


 致命傷を治して戦いを続けた場合、例えその戦いに勝利しても致命傷が訪れることは避けられない。魔力切れを誤魔化した場合は、その後で魂に残る全ての魔力を消費することになっても、帳尻合わせが行われる。


 つまりこの魔法で出来ることは敗北を先延ばしにし、相手との相打ちを狙うことだけなのだ。


 本来、悪魔殺しが悪魔を討伐した際の報酬は、悪魔が蓄えた魔力を悪魔殺しに譲渡されることのみ。しかし、悪魔殺しと悪魔が発する魔力の波長が近い場合のみ、極稀に悪魔殺しが新たな魔法に目覚める場合がある。


 一見すると共通点の無さそうな両者だが、どちらもあきらめの悪さという点では一線を画している。


 マルティナの死する瞬間まで悪魔と戦い続ける意思と、ウィローの選択魔法。その二つが合わさった魔法と考えれば、妥当な能力と言えるだろう。





ステヴァン


 トルクメニスタンの一都市に所属する悪魔殺し。都市内では魔法使い部隊の隊長も務める。


 少年期に命の危機に瀕したことで魔法を発現。無意識ながらも引き起こした騒動をレオニードに治められた以降、彼の下で魔法使いの修行を行う。その努力と才能によって、悪魔殺しに選ばれた。


 性格は快闊ながらも、都市とレオニードのためなら平気で嘘を吐く腹黒さも持ち合わせる。だが、その腹黒さは人情のあらわれであり、信頼する相手には協力を惜しまない。


 悪魔達との戦いでは主に都市外に出現した使い魔達と、星の魔王の眷属と戦闘。これらを見事に討伐し、最終的には零氷の悪魔と戦う翔に加勢。しかし、それによって都市内の戦力が減った所を悪魔達に突かれ、レオニードを守り切れなかった。


 これで残すカギはあと一本。人類はいよいよ存亡の危機に立たされたかに思えたが、レオニードのカギの魔法がステヴァンへと受け継がれ、彼は自身の真の出自を知るに至る。


 現在はボルコや都市の仲間達と協力し、全力で街の復興を行っている。けれども都市の恩人である翔とマルティナは共に病床。マルティナに至っては生存が絶望的と言われ、頭を悩ませる。


 そんな中で上げられた一つの提案を、彼は拒むことが出来なかった。




 黄金の海(サルオケアノス)


 ステヴァンの操る召喚魔法。砂に魔力を込めることで疑似的な命を宿し、使い魔として操ることが出来る。


 生み出せる使い魔は海洋生物に限定され、眷属を生み出すことも不可能。しかしその分、生み出せる数が圧倒的であり、最低級の使い魔であれば一帯を埋め尽くすほどの召喚すら可能。


 また、レパートリーが豊富なことも売りの一つ。攻撃に特化したサメ、連携を強化するイルカ、内部に人間を収容可能なクジラなど、多種多様な使い魔を操れる。


 さらに、砂を実際の海に見立てることで、自由に遊泳することすら可能。魔力探知を持たない魔法使いにとって、砂漠は常に奇襲される可能性を孕んだ死の大地と化す。


 弱点を挙げるとすれば、彼らは魔力が集まった核を持たないということ。そのせいで全体攻撃に弱く、擬井制圧 曼殊沙華のような魔力を消し飛ばす魔法の前では一瞬で消滅してしまう。おまけに部位欠損等をしても新たな身体を構成するための核が存在しないため、ステヴァンがいなければ再生もままならない。


 けれども彼らの売りはあくまでも数。それを考えれば、これらの弱点は些事と言えるだろう。





レオニード


 トルクメニスタンに存在する地獄門。略奪の国との直通門であるその門を封印するために選出された、カギの一族の一人。


 多くの民に愛される領主であり、時たま繰り出される茶目っ気から若々しい印象を受ける人物。


 幼い頃からレールが敷かれた人生に鬱屈とし、何か一つでも自分で成し遂げたいと思い都市の発展に尽力する。彼自身に才能があったこともあり、都市は周辺でも類を見ないほどの秩序と発展が訪れた。


 そのおかげで彼は名君と謳われる存在となり、一般人と魔法使いの区別を問わず多くの人間に支持されるようになる。


 二つの都市が落とされた時点で、すぐさま各国に応援を要請したのも彼の手腕。その後も後手後手ながら悪魔達の謀略に対応していくが、その対応策を参考にされ、森羅の悪魔に大きなカウンターを食らうことになる。


 後に森羅の悪魔が評したように、彼の本質は仁君であり、賢君であっても名君ではない。窮地に誰かを切り捨てられない優しさは、最終的に彼を死へと追い込むことになる。


 最後には星の魔王の襲撃で倒れた彼だったが、一つのワガママが人類の窮地を救うこととなった。


 彼はレールの敷かれた人生を心底嫌っていた。いずれ生まれる我が子にも、選出されるその時まで堅苦しい生活をして欲しくは無かった。


 始まりの意図こそ違ったが、彼の思いは悪魔達の野望を打ち砕いた。下位国家とはいえ構成員を二名も失った騎士団は、しばしの静観を強いられることとなるだろう。





ボルコ


 レオニードの最側近であり、彼の秘書的な役割でもある老人。年老いてもなお血の気が多く、馬が合わない相手とは徹底的に争う頑固さを持ち合わせる。それでも領主の最側近を任されていることから、心理的な問題を仕事に持ち込まない冷静さも兼ね備えている。


 レオニードが幼少期の頃から仕えてきたこともあり、彼とは数十年の付き合い。そのこともあって、彼はレオニードの秘密を唯一共有していた人物でもある。


 悪魔襲撃時は各所に指示を出す司令塔のような役目を務めていたが、同じく司令塔を務めていた森羅の悪魔とは勝負にならず、辛い防戦を強いられ続けることになる。


 それでも持ち前の冷静さと血の気の多さが良い方向に働き、最後まで投げ出さずに防衛ラインを保ち続けた。


 レオニードの死後は彼の息子であるステヴァンに全てを話し、そのまま彼の下に納まった。今はステヴァンの方が居心地の悪さを感じているようだが、いずれ時間が解決してくれるはずだ。

次回更新は9/24の予定です。

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