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業腹と消耗

 日本に戻れないだけでも相当に業腹だったが、更に自分のプライベートな事まで覗かれたのだから、こいつを無言の内から殴ってもいいだろうと思ったが、残念ながらこの声の主は目の前にいない。なので暗に目の前に姿を現せと言ったのだが、またも申し訳なさそうな声で


「私が今普段のような力があれば、殴られに行ってもよかったのですが…本当に申し訳ありません。あなたの為に少し力を使いすぎてしまいまして。勿論、あなたの詳細な記憶については誰にも公開しないというのは今ここで誓わせていただきますが、物理的な鬱憤だけはご勘弁いただきたいですね」


 と返された。


 力の消耗。それがどういったものなのかは分からないが、こんなよく分からない事を仕出かす者が一個人をどうにかするだけでそこまで消耗するとは考えられない。


「こんなよくわからん事仕出かす奴が、ただの親父の拳骨一つ受けられないってどういう事だ?まさか存在が消えかけてるとかそんなバカみたいな話じゃないよな?」


 と、質問を投げかけてみるが、これに対しての返事がない。


「マジかよ…?」


「…これでもあなたよりは上位の者なので、確かに消えかけている、というわけではありません。まぁ、肉体は少し朽ちましたがこれもある程度時間をかければ治せますので。ただ、この状態から更に打撃を受けるとどういった影響を受けるかが分からないので、黙秘させていただきました」


 どうもこいつは肉体という『器』を重要視していないらしいが、それでもそんなになってまで生かしてくれた相手にこれ以上強く当たることはできないか。




「話を戻しても?」


「…わかりました。すいません少し取り乱しました」


 戸部は深呼吸の後、改めて聞く姿勢を取った。とにかく必要なのは情報だ。この際激情に構っている余裕はないのだ。そう言い聞かせる。


「あぁ、別に言葉遣いは先ほどのように砕けてもらっていいですよ?そうやって仕事のような心情で自分を抑えなくてもここには聞き耳を立てる人すらいませんし」


「いえ、先ほどのように取り乱さないためのストッパーですよ。事あるごとに遮ってしまえば、何日経っても話が終わりませんから」


「なるほど。わかりました。私的には先ほどの貴方の方が魅力的に感じるのでそうあって欲しいのですが、しょうがないですね」


「…まぁ確かにあなたの用意した肉体は、私の若い頃のものらしいですから、それがこんな物言いしてるのに違和感を感じるのはなんとなく分かりますけど」


「そこまで口が悪くなっていればそれこそ見た目相応に魅力的に見えてしまいますね。さて、肉体の他にもお詫びとして貴方の中にある【魔力核】をいじらせていただきました」


また新たなワードが飛び出してきた。

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