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転生した創造者  作者: 梅雨川
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転生する

非常に、めんどくさい文になっているかもしれません。

最後まで読んで頂けたら幸いです。


建設会社に勤める、柳崎 泰良、25歳。

現在、彼は連日の会社出勤により、疲れ果てていた。

今日は週末、ようやく休める時間が来たのだった。


そのためか、彼の注意は散漫になっていた。

自宅前の青信号を渡っていると、白いワゴン車がこちらに向かって走ってくる。

ブレーキを踏んでいる様子はない。

危ないと思った瞬間には、かなりの距離を飛ばされていた。

そして、意識がなくなった。


こうして、柳崎泰良は死んだのだった。


~~~~~~~~~~

気が付けば、白い部屋。

なんともラノベ的展開だが、そこには女神様も髭の生えたおじいさんもいない。

只々、白い空間が広がっていた。

「どこだ、ここ」


そうつぶやいた後、ふと、ロングの青い紙をした女性がが横から歩いてきた。

「あなたは死にました。最後に言い残すことはなにかありますか?」

そう問うてきた。

「あなたは、女神様ですか?」

「いえ、私はこの世界の人々を輪廻に戻し、転生させる存在です」

個人的な意見としては、神はいない。では、目の前の女性は?


「では、神ではないと?」

その問いに間髪入れずに答えた。

「そうですね。神なんてこの世にはいません。ただ、一人一人の個人がいるだけです」

「では、私は?」

そう、自身は記憶を持っているし、さっき死んだ事も認識できている。

「輪廻転生時は、皆記憶を持っているものです。小さい子があの世に近かったり、自分の中に行ったこともないのに、ある記憶。様々な形でそれは出てきます」

そうなのか。

「では、結局あなたは何ですか?」

「そうですね、皆さんの言う神に等しいですが、違います。私は、人々の願いを叶えられないし、人を殺すこともできない。ただ、死んだ人々を輪廻転生させるだけです。その人にあったように。前世での行いを見て、その人の転生先が決まります。例えば草だったり、不幸の連続で生まれた赤ん坊だったり、それは人によって様々です。」

そうなのか。

「と、でですね。実は、新しい世界の住人が減少傾向にあるらしくて、あなたの転生先はそこも選べるようです。その世界には、魔王が存在し、それを倒す勇者がいます。今、勇者は有能で強力な仲間を求めています。そこで、地球から一人、送ろうと思ってまして、それであなた、興味ありませんか?」

なぜか、どこかのラノベのような雰囲気を感じる。でも、女神様じゃないし、大丈夫かな?


「あの、その世界は何で人口が減ってるんですか?」

「まずい一つに、魔王軍が人間の世界を脅かし、非常に危険な状態にあります。そのため、転生をしたくないと駄々をこねる人が多くて」

あっれれ?これも、なんか聞いたことがあるぞ?


「それでですね、能力は好きなのを選んでいいので、チョイっと魔王を倒してくれないかなと、思いまして」

そんな思いを向けられた俺は。

「お断りします。そんな世界、命がいくつあっても無理ですよ。早く輪廻転生ってやつをやってください」

「そう言わず、あっ!だったら、不老不死ってどうですか?今なら、特別ン能力にそれをお付けしますよ?」

「いえいえいえ、それって、その世界で俺を酷使する気満々じゃないですか、死にたくても死なないって」

そう、不老不死は一見いいように見えるが、俺からすれば、そんなもんだ。


「うぐっ、た、確かにそう言うとらえ方もありますね、でも、不老不死なんて、誰もが憧れる者なんじゃないんですか?年を取る年数も自由、好きな時に若返って、好きな時に死ねる。いいじゃないですか!」

ふむ。

「でもそれ、老衰で死ねないですよね」


目をそらされた。


「さらに言うと、その世界、今回滅びがなくなったら、永続していくような世界とか、言いませんよね?」


答えは、黙秘。


「あんた、俺をそんな世界に送ろうとしたのか!!鬼畜だな!もしそれでOKしてたらどうするんだ!」


「いえいえ、別にだまそうとしたわけではないんです。それに対する、それ相応の能力を対価に、と」


「それもどうだか。大体そんな能力持ってるやつが二人も三人もいたら、その世界のパワーバランス、狂っちゃいますよ?」


ここで、目が泳ぐ。

「おい、まさか俺一人だけ送って、それで解決できるように、その他もろもろの能力をくれるってわけじゃないよな?」


おっと、今度は顔を向けないときた。

「あんた、最低だな。」


そう言うと、ガバッとこちらを向き、涙目で訴えてきた。

「しょうがないじゃないじゃないですか!そんなに人を送ったら、世界の均衡を保てないし、そもそも行きたい人ってたいていクズい人か、心の弱い人だし…」


俺は、その物言いを聞いて、こう思った。

「……この人、ホント最低だ」

「何でですか!!」

「おっと、口にしちゃいましたね。でも、俺も心が弱い方だと思いますし、さらに言うと、正義感とかそんなの…」

「バリバリありますよね?あなた、次の生は、あなたのお姉さんの孫の予定でしたし、何不自由ない生活をくれましたよ?」

「っえ、な、何でそんなことに?」


本気で疑問に思う。

「師曰く、困っている人は助ける。悪いのは、先にした方。どんな時も誠実な心で、でしたか?あなたの生き方の根底は。あと、座右の銘はなんでしたっけ?」


思い出すそぶりをしながら彼女はこういう。

「そうそう、『冬は必ず、春となる』でしたか?」

確かに、そうしたことも有ったが、必ずしもしてきたわけではない。


「人々を幸福に導く。いいことだと思います。そんな活動をひていたあなたに、最も環境がよく、これからも同じように生きていける環境が、そこなのです」

「じゃあ、だから俺が選ばれたと?自慢じゃないが、俺はそんな立派な人間じゃない。可哀そうだと思っても、助けてあげたのは数えるほどだったし、むしろ、嫌われたことだってある」


「でも、たすけようとはしていた」


「しようとしただけです。実際はしなかった。」


「それを後悔し、現在まで引きずっている。いいんじゃないですか?」


「っえ?」


「それでいいんだと思います。助けようと思うのは、悪いことじゃありません。それでも、助けられなかったことがあるのもいいんです。あなたはそのことをそのたびに悔やんでいる。あなたは、いつも誠実であろうとしていた。それだけじゃだめですか?それは確かに、世の中にはもっとすごい人だっています。自身と師匠の約束のために生涯を賭け、仲間を命がけで守る人だっています。沢山勉強をして、現実を変えてきた人もいます。世界を股にかけ、様々な場所の救済をしてきた人もいますし、人々のために、先頭に立って戦ってきた獅子の如き、勇敢な人もいます。」


彼女は、言葉をまくしたてるように語ってくる。


「でも、皆がみんなそうなりたいと思って、挫折して、苦しむ。それでも、彼らは歩んでいく。いいじゃないですか、あきらめないことこそが、最大の勝利の秘訣ですよ?」


そう、かもしれない。

「あなたに救われたい人が、他の世界にもいるんです。どうか、考え直しませんか?」


俺は、必死で頭の中で考える。

数分、数十分に及ぶような体感時間の後、泰良は口を開いた。


「俺なんかでいいんですか?俺は、いつも負け腰で、やろうと思っても怠けて、そんなのがずっと続いて、途中で挫折して、放漫になっちゃうかも」


そう、自分では自身がどれだけ弱いのかを知っている。


「それでも、そんな男でもいいんですか?」


今まで、認められたくて頑張ったり、助けたいと思って、勇気を出しても、長続きしなかったり、挫折したりしていた。

今まで黙って聞いていた彼女が言う。

「三日坊主を二回続ければ六日、三回続ければ九日、十回続ければひと月、そうしてやっていけばいい。そうでしたよね?」


生前にある本で知った法則だ。

「そうやって、水のように、流れるように絶え間なく、穏やかにやっていく」

そうだ。それを手本にしてきた。


「なら、そうすればいいじゃないですか。あなたが選ばれたんです。あなたにはできると思ったから言ったんです。私は信じてますよ?」


彼女はそう言った。

まったく、人を乗せるのがうまい人だ。

でも、まあ。


「なら、頑張ってみようかな、でも、本当に悠々自適に、自由に生きちゃいますよ?俺」


彼女は、フフフと笑って見せた。

「なら、それでもいいんです。あなたの、魔王を倒そう、という行動は、それだけで皆に希望をあげられます。そんな、誰もの苦しみの現況である魔王を倒すんです。それだけで、おつりがきます。ですから、そのあとなら、好きにしてもいいんじゃないんですか?」


笑顔でそう言ってくる。

そもそも、この人が見ているのは、自分だけではない。

それでも、誰かに励まされ、期待され、勇気付けられるのは、本当に心の支えになる。

生前でも、似たようなことはあったが、それとおんなじくらい勇気が湧いてくる。


「じゃあ、行きます。行きますよ、その世界」

「いいんですか?」


彼女が、問うてくる。

「ええ、正直、自身の甘さとちょろさには吃驚ですが、まあ、いいですよ。」

そう言うと、彼女が微笑みをたたえて言う。

「柳崎泰良さん。あなたの決断は、並々ならぬものです。自身に自信をもって下さいね?」


っはっはっはっは、本当に、この人には一生敵いそうにない。

「それで、強力な力的なものを貰えるんですよね?」


「ええ、好きな物をどうぞ」


ふむふむ

「それじゃあ、何もないところから物質を作ったり、バフをつけれたり、建築出来たり、なんて能力ありますか?」

「ありますよ」

おお、これはすごいのが着そうだな。


「あと、素材を変えたり、土地を作れたりなんて、無理ですよね。」


まあそこまではないと思う。

「いいですよ?それだけですか?」


マジか、あるのか。

「じゃあ、ハイそれくらいで」

うん、これ以上はまずい気がする。


「わかりました。では、私から、スキル獲得スキルと、お金を少々つけときますね」

なんと、そこまでしてくれるとは。


「それでは、柳崎泰良さん。あなたが新たな世界で活躍することを、また、あなたが数多の戦士のなかで、勇者になれることを期待しています」


意識が遠のいていく。



こうして、俺は転生したのだった。




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