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閑話 美緒の友達、肇の話

プロローグが短いので、閑話を一つ挟みます。

なので、今日は話を二話投稿します。

 俺の名前は高岡肇。月形美緒の友達だ。


 美緒が学校をいきなり休学するって、ホームルームで先生から聞いた。

俺は慌てて、美緒の家がある、最寄り駅へと着いたのだが……


「なんだこれ? 白っ!」


 前に美緒の家に来たときは、普通の街並みだった筈……

俺が駅から出て、見た光景は……あたり一面、白一色だった。


 美緒の家は、俺の家からはそれなりに離れている。

だから、そんなにしょっちゅうは来たことないが……


「いやいや、どう考えてもおかしいぞ!」


 道路が白い、歩いている人も白い服を着ている。

さらには、建っている建物までも白い。


「あれは、神殿?」


 遠目に、神殿らしき物が見える。


 しかし、こんな不可思議な事、全国ニュースになっていてもおかしくない。

俺は慌ててスマホを取り出し、調べようとした……


「圏外、なんでだ?」


 山奥ならいざ知らず、なぜ都心でアンテナがたっていないのか。


「あれ? なんだか、スマホから煙が……」


 ボンッ!


 俺は急いでスマホを地面に放り投げた。

すると、いきなりスマホが爆発した。


「不具合ってレベルじゃないな……この先、進むのが怖いぞ……」


 俺は進むべきか、戻るべきか悩んだ。

嫌な予感がして、駅の方を振り替えると……そこには既に駅が無い。


「見知らぬ世界の入り口みたいだな。変な次元に入ったか?」


 仕方がない。


 もう進むしか、選択肢が無くなってしまった。

周りには、いつの間にか人の姿も無くなっている。

この白い明るさが、綺麗というより、不気味に感じる。


 俺は動く歩道に乗ると、自動で神殿の方に向かっていく。


「まるで近未来みたいだな……」


 神殿に着くと、扉が自動で開き、中へと入っていく。


「ひっ! なんだ写真か……って大きすぎるだろ!」


 入ってすぐに男性の写真が飾ってあるのだが、その大きさが半端ない。

その写真の下には、一人の女性が立っている。


 あれは……


「美緒のお母さん?」


 前に一度会ったことはあったけど……

あれ? こんなに若かっただろうか?

もしかして、違う人だとか?

ん? 後ろに変な入れ物が……あれは、透明な箱?


「大変だ、人が閉じ込め……」


「大丈夫、これは人の姿をした"何か"だから。あなたは肇君ね。美緒がいつもお世話になっています」


 やっぱり、美緒のお母さんだった。

でも、美魔女ってレベルじゃない。

それに、なんだか神々しい……

って、今はそれどころじゃなくて。

あの人をあそこから、早く出してあげないと!


「肇君……世界は争いに満ちているわ。今こそ手を取り合って平和を築きましょう!」


 おいおい、いきなり言っている事が世界レベルになったぞ。

なんだか宗教っぽいけど、まさか、あの人……拉致したのか?

それって犯罪……


「この世界の神を更に一人捕まえたわ。まだまだ他にもいるみたい。全て捕まえて、あの人が神の座に着くの」


 神? 神ってあの神様か。

いや、神を捕まえるとかイミフだぞ……

あの人って、誰? それに神の座?

最早、美緒のお母さんの言っている意味がわからない。


「異世界の神に聞いたの。あの人は今も闘っている。でも必ず戻ってくる。その時、あの人がすぐに神格する為、この世界の神のエネルギーが沢山必要なの」


 異世界の神?


「そこからは私が説明するわ」


 綺麗な女性が、いきなり出てきたぞ。

しかし、いったい何処から出てきたんだ?

それに、この女性の目が、虚ろなんだが……

薬でもやっているのか?


「この世界はゆっくりとだが、滅びに向かっている。この者、修平をこの世界の神として統一させ、滅びを回避するのよ」


 俺は、夢でも見ているのだろうか?

電車の中で、まだ眠ったままとか……

世界が滅びるだって?

修平って、確か、美緒のお父さんの名前だよな?


「ここに辿り着けた、君には適正がある。さぁ、我々と一緒に世界を股にかけ、この世界の神々を捕まえようじゃないか!」


 壮大なドッキリ?


 閉じ込められている人が、おもいっきり箱を叩いて抵抗しているのだが……


「あっ、消えた……」


「ふふっ、なかなかのエネルギーね」


 こ、怖い。

美緒のお母さん、なんだか怖いぞ!

これは、ヤバい! 速く、ここから逃げないと……


「美緒と付き合いたいなら、断るという選択肢は無いわよ」


「ひ、卑怯な!」


 この人、こんな人だったのか?

助けて、未来のお父さん!


「さぁ、こっちにおいで!」


 くっ、これでは逃げ道がない!


「来るな、来るな〜〜〜!」


「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬのよ」


「それって、るろう○剣心のしし、あっ! …………………


 こうして、また一人、新たな信者が誕生したのだった。




フィルメリア「最近、マナと連絡がとれない……いったい何をしてるんだろう? もうこっちも時間が……」


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