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60話 ステータスの再確認

 早朝、九人はクロイツの魔術ギルドに来ていた。


 後の二人の内、サイコはそのまま宿に残り、パスモンは一度南の里に帰還し、今までの事を長老に経過報告する為、朝早く街を出た。


 宿代は十一人分を先払いしていた為、手数料はかかってしまっだが一人分に変えてもらった。

これで1ヶ月間は泊まれるはずだ。


 もし、何かあったら鳥車を出して、修平達に報告をしに来てくれるそうなのだが……


 サイコの格好が、もの凄いラフな格好になっている。

一人でバカンスを楽しむつもりなのだろうか?


 そういえば昨日の夜、サイコ達の部屋からパスモンの雄叫びが聞こえてきた。

もしかしたら、どちらが戻るかを勝負していたのかもしれない……



 魔術ギルドに来た目的は、皆のステータスの確認をする為だ。


 そういえば……ラトゥールで梨華に見てもらった以来、色々ありすぎて、全く鑑定などしていない。


 あれから砂漠で水魔法を。

更には、ここ最近では光魔法も使える様になっている。

少し自分のステータスを見るのが怖い気もするが……


 ダニエウ達など、新人の時に一度だけ調べたそうだが、それから一度も鑑定していないそうだ。


 自分が強くなっているのを確認したり、新しいスキルを覚えていないかなど、気にならないのだろうか?


 ダニエウに聞いてみた。


「旦那、三人で銀貨十五枚も勿体ないぜ。そんな事に使うなら酒を買った方がいいだろ?」


 あー、君たちはそういう奴だったな。


 アリエルとラミィも十歳に一度見てもらってから、今まで無いそうだ。


 どうやら砂漠には魔術ギルドは無く、キャラバン隊がたまに鑑定紙を持っているぐらいで、砂漠の人達は自分のステータスなどはあまり気にならないみたいだ。


 占い師(おそらくは鑑定眼持ちなのだろう)に十歳になったお祝いに見てもらうのが一般的で、アリエル達もそこまで興味がなかったそうだ。


 レオニアルとカミュは最近調べたので、辞退するとの事。

その時の紙を持っていたので、見せてもらった。


 流石は百獣の王ライオン、強いじゃないか!


 順番に鑑定部屋に入り、済ませていく。


 途中、ダニエウ達の叫び声が聞こえたが、だいたい十年ぶりなのだ。

凄い劇的に変わっていそうだな……


 アリエル達も出てきたが、これが強いのかよく分からないそうだ。

まぁ、数字が全てじゃないからね。


 皆の鑑定紙を見せてもらう。



ダニエウ 28


力  178

精神 65

器用 102

体力 206

魔力 38


スキル 豪運、斧術



モブA 27


力  146

精神 48

器用 86

体力 278

魔力 29


スキル 剛体、槍術



モブB 27


力  263

精神 29

器用 67

体力 178

魔力 31


スキル 剛力、鎚術


 三人共、精神と魔力が少ないのは仕方ないが、それなりではなかろうか。


 ダニエウも、昔は激運だったそうだが、成長して豪運になったらしい。



アリエル 38


力  582

精神 196

器用 151

体力 407

魔力 144


スキル (たけ)き力、剛体、豪腕、土魔法(付与)、棒術


称号 鬼の乙女



ラミィ 40


力  217

精神 286

器用 375

体力 344

魔力 229


スキル 技の匠、剛体、氷魔法(付与)、風魔法(付与)、火魔法(付与)、弓術


称号 鬼の乙女



ファンケル 13


力  41

精神 62

器用 30

体力 29

魔力 495


スキル 深淵の魔、風魔法、風神の加護

称号 風の神子


 おおっ! アリエルもラミィも中々に強い。

っていうか、見た目は若いが、年齢が自分とあまり変わらないのか……

まぁ、長生きする種族だからね。


 ファンケルは魔力がずば抜けて高いが、まだ使いこなせていないみたいだな。

本人は落ち込んでいるが、まだまだ発展途上なのだ。

今後に期待できるぞ!


「次の方どうぞ〜」


 自分の順番になり、魔法紙に血を垂らす。


「ステータスオープン。ほえっ!」


 咄嗟に紙を隠してしまった。

なにやら凄い数字が書いてあった気がする……


「修平、あたし達のだけ見るなんてズルいぞ!」


「そうよ! 勿体ぶらずに早く見せなさいよ!」


 しょうがないので、渋々見せる。


 すると皆、驚愕していた。

だってこれだもの……


月形 修平 40


力  695

精神 421

器用 459

体力 607

魔力 562


スキル 土魔法、風魔法、水魔法、光魔法、豪体、豪腕、死者の未練、ちょい運(ゲージ5)、生存本能、精神攻撃耐性レベルマックス

称号 勇者の器


 ブースト系スキルが全く無いのに、この数値とかね……もう人間止めてないか?


 ルミルのおかげ(頼んではいないが)で精神耐性までマックスになっている。


 ちょい運のゲージが無くなっているのは、やはりカジノで使ったのだろうか……


 いつのまにか誕生日を過ぎていたんだな……

目まぐるしい日々すぎて、すっかり忘れてた。


 アリエルとファンケル、カミュは何故か潤んだ瞳でこちらを見ている。

ラミィはなんだか悔しそうだが……どうした?


「ここまで成長したとはな、一度本気で手合わせしたいものだ。ガッハッハッ!」


 レオニアル、勘弁してくれ……


 ダニエウ達には称号のところだけを削って見せた。

こいつらは歩く広告塔だからね。


「旦那ってやっぱり凄かったんだな! 俺らの目に狂いはなかったって事だな!」


「流石旦那は最高だ! 一生ついていくぜ!」


「俺もヴァニラちゃんと一緒についていくんだな!」


 お前らもいい加減にしてくれ!


 しかもモブBよ、ヴァニラちゃんは既にお前から心が離れているぞ!

刺されそうで怖くて言えないが。


 次に冒険者ギルドに寄り、レイリーから馬車を借りる。


 繋いである馬も最高級らしく、お値段なんと金貨六百枚。

この馬は弱い魔物なら、簡単に蹴り殺すそうだ。

合計で金貨千六百枚とか、もう高級スポーツカーだよ。

恐ろしい……


 まずはクロイツを出て、衛星都市ツヴァクに向かう。

そこから始まりの森に進む行程を予定している。

この馬車なら、日数にして往復六日ほどだろうか……


 頼むから面倒が起きないといいなぁと思う、おっさんなのであった。



 その頃、スケアは鳥の姿を元に戻し、とある城へと降り立った。


 城の名は、ジューレイド城。


 位置はガリオン帝国の西にあり、三百年程前にガリオン帝国に滅ぼされた国の王城である。


 現在はある男の研究所となっている。


 スケアはスタスタと城の中を進み、ある部屋で止まる。


「爺、入るぞ」


 相手の返事も聞かずにドアを開けると、そこには老人の男が一人、なにやら熱心に研究をしていた。


 この男の名はロッドマン。


 ガリオン帝国の現在の神殿騎士長である。

自身も魔武具である長剣の保持者だ。


「スケアか、ラギアはどうした? まだ戻らないのか?」


 スケアは首を左右にふる。


「ラギアとサンプルは捕まった。私は上空から見ていたけど、あの二人組は気づいていたみたいだった」


「二人? ラギアを捕まえるほどの人物とは誰だ?」


 次世代のチルドレン達とは違い、あの男はそれなりに魔武具を持って長い。

そこらいらの者に簡単に負けるとは思えない。


「Sランクのエネルと、もう一人はおそらく、アキュレー」


「ほう、西大陸のSランクまで出てきたのか。それで魔武具は?」


「よくわからない、でも突然気配が消えた……」


 ロッドマンはいきなり笑いだす。


「ははっ、古文書に書いてあった事が現実になりつつあるか。面白い、実に面白い! 長生きはするもんだ!」


 スケアは表情を全く変えない。

この爺が変人な事は知っているからだが……


「私は一度報告をしに帝国へと戻る」


 それだけ言うと、スケアは部屋を後にした。


 ロッドマンはまだ笑っている。


「クックック、これで浄化されたのは三個目か。擬似魔武具や魔物やアンデッドでの研究も大詰めだ。そろそろ俺も動くとするか……」


 ロッドマンの笑い声はしばらく部屋から消える事は無かったのであった。


猛き力、力が2倍になる。

技の匠、器用が2倍になる。

深淵の魔、魔力が2倍になる。

剛体、体力が1.5倍になる。


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