47話 マハトに着いたのだが……
すいません、二日酔いの為、短いです。
頭が痛い……
お酒は飲む量を考えましょう。
久しぶりに飲みに行くからこんな事に……
それから三日かけ、衛星都市アハトに着いた。
街道も整備されていたのに、思っていたより時間がかかってしまった。
道中、ランクが上がって調子に乗ったダニエウ達が、ポイズンフロッグの亜種に戦いにを挑んだ。
その魔物は痺れ毒を持っており、ものの見事に三人とも麻痺った。
その後、魔物は難なく倒せたのだが、鳥車が揺れると激痛がはしるとダニエウ達が文句を言うので、ゆっくり進まざるを得なかった。
最後の方はパスモンも切れて、おもいっきり激しく揺らしていたが……
街に着くと、痺れが取れないダニエウ達は、サイコ達が診療所へと連れていってくれた。
まったく、無駄な仕事を増やすんじゃない。
ランクが上がって嬉しいのはわかるんだけどね。
「修平、これからどうするんだ?」
「とりあえず、冒険者ギルドかな。レオニアル達から連絡があるかも知れないから」
修平はアリエル達の鳥車に乗り、ファンケルと一緒に、魔法陣崩壊によるはぐれた経緯と、レオニアル達の情報を共有している。
港町に向かう途中は色々あり、そもそも喋っている余裕が無かった為ではあるのだが。
ファンケルの話により、ドワーフであるカミュやゴードンの事や、アメリアと梨華がレオニアル達と一緒に行動している事も知った。
電話も存在しないこの世界では、唯一の連絡手段である冒険者ギルドは重宝される。
港町で行った連絡が彼らに届いていれば、何らかのアクションを起こすはずだ。
アリエル達には、鳥車が置ける宿を手配しに行ってもらった。
そして、冒険者ギルドには到着したのだが……
なにやらギルド内が騒がしい。
とりあえず空いている受付へと赴き、何があったのかを聞く。
「北のエルフの里が壊滅したそうです。ツェーンから緊急連絡が来まして、それで今は忙しくてですね……」
今になって気がついた。
おっさん達はあの時、南のエルフの里にたまたまいた。
そこにファンケル達が逃げてきた事により、北の里が襲撃された事をいち早く知ることができた。
だが、ファーデン各都市は今、その情報を知ったのだろう。
しまった、港町で報告するべきだった。
ファンケルというエルフもパーティー内にいるのだ。
それゆえ話の信憑性は高く、信じてもらえただろうに……
しかし、今さら言いにくい。
なぜもっと速く言わないのかと、無茶苦茶怒られそうだ。
修平は黙っている事にしたのだった。
ことなかれ主義か!
結果、バタバタしていて連絡確認どころではなかった。
「どうしよう……」
途方にくれ、ベンチで佇むおっさんの姿がそこにあった。
一方その頃、港町では……
「ガムスの姿が見当たらない。しかも連絡も取れない。いったい何があった?」
黒い鳥が消えると、小柄な女性が姿を現す。
名をスケア。
部隊では主に運搬と連絡を受け持っている。
だが決して戦闘力が弱い訳ではない。
彼女達は子供の頃から特殊な訓練を施された、国でも特別な戦闘員なのだ。
更にその中でもトップクラスの実力があり、適正をもつ者には、皇帝から魔武具が与えられる。
スケアは指輪を与えられた。
魔武具にはそれぞれの力が宿っており、恩恵を装備した者に与える。
黒い獣の姿も各々違う。
だが力を蓄えるには、人の血や怨念の様な負の感情を吸い込むことが必要になる。
大きな力を使うにはそれなりの代償が必要になるのだ。
スケアの黒い獣は、鳥の形をしている。
獣のサイズが小さい為に、実に燃費がよく、更には空も翔べる。
その為、この役割を担っているのだ。
「……報告しに戻るか、それとも……」
スケアは鳥の姿に形を変え、空高く舞い上がるのであった。