閑話 マナフィリアの憂鬱
短いです。
すいません。
家族サービスやサービス業なので連休で仕事。
筆が進まない……
「先輩、先輩〜!」
設定上、こう呼ばれるのは仕方ない事なのだけど、慣れないものね。
「うるさいわよ! 落ち着きなさい!」
あのクソッタレな創神に、此方の世界と彼方を世界を往き来させられる身としては、冗談ではなくストレスしか貯まらない。
いつもなら、もっと神格の低い神が担当するはずなのに、なぜ今回は私なのか。
「ヤバいですよ、美鈴さん。最近自宅周辺の土地を買収しまくってます!」
私の名前は北条マナ、この世界ではこう名乗っている。
創神フィルメリアに命令され、従神である私は強制的にこの役目に付かされている。
創神に初めて作られた人間として、死後、神格化されたのはいいのだが、神様業務がまさかのブラックだとは夢にも思わなかった。
このうるさいのが高槻しのぶ、修平の会社の同僚という設定だ。
しのぶは私の従神。
神の位でいうと、下の下だ。
今は修平の残った家族を誤魔化す為に、裏で色々と動いてもらっている。
我々は洗脳操作を駆使して、会社へと潜り込んでいるのだ。
それにしても……
「宗教にハマって、次はなに?」
しのぶは書類をパラパラとめくっている。
「なんか、新しい宗教団体を作るみたいですね〜」
私は頭が痛くなった。
「なにがどうしてそうなるの?」
しのぶは、さぁ? とジェスチャーをとる。
私が産み出された世界と、此方の世界を繋ぐために、神の箱を通してこの世界に魔素を送り込んでいる。
この世界の人間は何も考えていないのか、資源エネルギーを湯水のように使う。
それにより、パイプを維持するのが難しくなっているのだ。
あと数千年程で違う世界にパイプが切り替わるまで、とりあえずは持たせないといけない。
創神も読みが甘かったのだろう。
この世界の人々が、ここまで星のエネルギーを速く食い散らかすとは……
さらに、そこに来ていきなりの魔王誕生だ。
発生時期が想定よりも速い。
以前の創神の話を思い返してみるのだが、確か後千年程は大丈夫だったはずだ。
どうしてこうなった。
神とて万能ではない。
イレギュラーは仕方ないのだろうが……
しかも、魔王は勇者しか倒せない、そんな糞設定をいったい誰が作ったのか。
勘弁してほしいものだ。
このままパイプが途切れてしまうと、まだ出来て新しい彼方の世界は崩壊してしまう。
まったく、もう少し上手く世界創造できなかったものか。
創神には愚痴の一つも言いたくなるというものだ。
「カードの方はどうなっているの?」
しのぶより、何枚かの写真が渡される。
「神物として崇められているみたいですね。無限にお金が涌き出る神のカードだとか」
使用金額を見ると頭が更に痛くなる。
「これ、人が普通に働いて返せる金額じゃないわよ」
その額、既に35億。
ブルゾ◯ちえみもビックリだ。
「流石にボックスには正確に表示できないですね〜。こんなの見たら修平さん、おそらく心臓発作で死にますよ」
まったくだ。
勇者が借金を苦に、ストレスで心臓発作を起こし死亡。
全然笑えない。
しかし、美鈴もおかしいと思わないのだろうか?
それとも天然すぎて、頭のネジが何本か吹っ飛んでいるのだろうか。
「さらに最近、娘さんの行動が怪しいです。どうやら南アフリカに飛ぶ準備をしているようで……どうやら美鈴さんの奇行を止める為に、修平さんに助けを求めるみたいですね〜」
それは不味い。
実際、南アフリカには修平はいない上、会社自体も存在しない。
「どうしますか? 拐っちゃいます?」
サラッと恐ろしい事を言う。
この世界の住人に直接手を出すことは、私達にはタブーだろうに。
そうだ、今あるエネルギーを使えば私の力でも一人くらいなら送れるだろうか?
転移させるだけなら、おそらく禁止項目に引っ掛からないはず。
「あの子は飛行機に搭乗する前にあちらに転移させるわ。準備して、場所はできるだけ安全な所に落とすように」
やれやれ、問題が次から次へと起こるものね。
はぁ、創神なんて死ねばいいのに……
フィルメリア「凄いディスられている。動ければツッコミに行くのに……」
次から4章に入ります。