表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/104

閑話 鍛治士ガストンの話

本日は閑話を2話投稿します。

 俺の名はガストン、ドワーフの鍛治士だ。


 周りからは変わり者とか、変人とか言われているが、他人の嫉妬は醜いもんだ。

俺がいくら才能の塊だからと言って、やっかみすぎだろう。


 まぁ、この工房には、俺の芸術的武具たちが所狭(ところせま)しとおいてあるが。


 え、たくさんの売れ残りだって?

違う違う、価値観の相違ってやつだな。

こいつらは、今か今かと出番を待ちわびているのさ。


 待ちすぎて錆びたやつもあ……

おっと、いい間違えた、丁度鉄が足りなかったのさ。

溶かして再利用さ! 鋳造、鋳造!


 それに最近、大手の武防具店の専属になったんだぜ!

引く手あまたの俺だが、いっちょ一肌脱いでやろうかってやつだな。


 最初にきた奴なんだがよぉ。

見た目は小綺麗なお嬢ちゃんだから、あんまり信用してなかったんだがな、俺の作品を誉めまくりやがる。

こいつ〜、中々の審美眼を持っているじゃねえか!

しょうがねぇ、もってけドロボーだ!


 そんでよ、ニコニコしながら、こう言うんだ。

ありがとうございます(こいつ馬鹿じゃないの)またお願いしますね。(こんなの売れる訳ない)

ってな。


 え、小さい悪口を言われてる?

最近、火花で目がチカチカしてな、よく見えねぇ。

まぁ、男は細かい事を気にしちゃ負けだ!

ドーンといくぜ、俺は!


 次は注文がきたんだがよぉ。

あん、魔力発動媒体つき武器はあるかだと?

ふん、お前さんはよくわかってるじゃねえか。

他の奴からは、こんなのエルフしか使えねぇとか、普通は単一の呪文を刻むだろとか言うけどよ。


 俺は声を大にして言いたいね。

そこに浪漫(ろまん)はあるのかい?

ってな。


だがよ、お嬢ちゃんの注文が細かくなっていくんだ。

まさか、俺を試しているのか? 舐められたもんだな。

望むところだ! てやんでぇ、べらぼうめ!


 はんっ、ミスリルを使えだと、ドワーフなめんじゃねぇぞ!

ミスリルでもオリハルコンでも持ってきやがれ!

俺にかかればそんなもんは、ちょちょいのちょいだぜ!


 すまん!

失敗した!

え、土下座しろだと。

男がどげ…………ごふっ!


 そこから3日3晩徹夜で作らされたぜ。


 嬢ちゃん半端ねぇ、いや、これからは姉御って呼ばせて頂きます。

今回の品物は完璧でさぁ。

ちょ、ちょっと待ってくれよ! この値段じゃこっちはあか…………ごふっ!


 勘弁してくだせぇ、姉御。

こっちも魂削って作ってるんだ。

盾にこんなちゅ………………ごふっ!


 単一呪文を腕輪に刻めだと。

そこにろま………………ごふっ!


……………


……………………………



 拝啓、里のおっかさん。

俺はもう疲れちまった、そろそろ里に帰るとするわ。

都会は怖い所だったぜ。

こんな根性のねぇ息子で、すまなかったな。

一から基本をやり直す、そしてまた……………



ルミル「いらなかった物も安く処分できてwinwinの関係ですね」


ガストン「俺は負けねぇ! 必ずリベンジするぜー!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ