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閑話 ティアナの話



 私の名はティアナ。

 商人の娘である。

 店の仕事を覚えるのに一生懸命な14歳。

 自分で言うのもなんですが顔はまあまあな方です。


 事件は隣街へ続く街道で起きたの。

 店の従業員二人、護衛三人と共に商品の仕入れに向かう途中、三人の盗賊らしき男たちに襲撃されました。


 盗賊が強かったのか、護衛は弱かったのか、今となってはわからないけど……


 襲撃時、一人は投げ斧ですぐにやられ、もう一人も2対1に持ち込まれるとあっさり切られちゃって。

 あろうことか、最後の人は私達を見捨てて逃げていっちゃうし…………

 なんということでしょうか。


 従業員である男性も必死に命乞いをしていたのだけど、あっさり切られて殺されてしまいました。


 アーニャは男たちに笑いながら犯されて、

「顔もあんまり良くないし、もういいか!」

と、無惨に殺されるし、最悪よ!


 でも、私はとても怖くて、震えながら、耳と目を塞いでいる事しかできなかった。


 男たちは身代金が取れると言っていたわ。

 すぐには殺されない安堵した。

 それとは別に、先ほどの女性の様に、いつかは自分も犯されるのではないかとの恐怖が襲いかかるの。

 私、初めては好きな人とするって決めてたんです。

 それがどうしてこんなことに……



 手を縛られどれだけ歩かされたのだろう。

 しばらくすると男たちの根城?洞窟が見えてきた。

洞窟の奥に座らされ、足を縛られると、

「返り血を落とさねぇとな」

と言って男達は川に向かっていった。


 私はひとりで泣くことしかできません。


 どのくらい経ったかな………男たちが戻ってこない。

 このままでは私も飢えて死んでしまう。


 すると変なおじさんが挙動不審で近づいてくるのだけど、しかも、なにやらぶつぶつ言いながら。

 ちょっと怖い……私は助かったのかな?


 ふぅ、ロープを切ってくれました。

 どうやらお仲間ではなさそうね、少し安心したわ。


 そして周りを物色し始めたのだけど、あっ、私たちのお金が!

 でも盗賊の物は盗賊を倒したひとのものになるみたい。

 前に店に来てた冒険者の人がそう言ってたから。

 

 仕方ないわね……命の恩人だし。

 おじさんすごいニコニコしてるし、とてもじゃないけど言いづらいわ。

 私、空気は読む子なの!


 なにか変な事を言ったと思ったら、手を空中に動かしてる。

 何をしているのだろう?


ビクッ


「チートよこせや〜〜」

 いきなり切れだすし、とても不安なんだけど……

 しかも、この人、どうやら迷子みたいなの。

 あなた、大人なのよね?迷子って……


 異世界が〜、とかなんとか。

 違う国から来た人なのかな?

……

……


 いきなり箱が出てきた時はビックリ。

 おじさんはまたぶつくさ言いながら箱の中に色々入れている。


 この箱の中どうなってるの?

 次々と物が入っていくのだけど……


 また怒ったと思ったら項垂れた。

 感情の起伏が激しい人………

 いきなり襲われないかしら……私、可愛いから。


 とりあえずおじさんに話を聞いてみると、どうやら街に行きたいらしいわね。

 私も早く街に戻りたい、お父様やお母様に早く会いたい。

 あまり強そうではないけれど、こんなおじさんでもいないよりはマシよね。



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