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閑話 まだ見ぬ山本さん(猫)の話

ニャが多くてわかりにくいかも知れません。

 時は勇者が戦争を起こす前。

共和国に転移してきた者達の話である。



 吾輩は猫である。

名前は山本と申しますニャ。


 ご主人様である瑞希と一緒に、いきなり異世界にとばされましたニャ。

もとはごくごく普通の黒猫。

なにゆえ人の大きさになっているのか、(いささ)か不思議ではありますニャが、些細なことですニャ。


 最初は驚いていた瑞希も、吾輩が大きな蛇を倒した時に、なにやら諦めた表情をうかべておりニャした。


 この世界に飛ばされて、しばらく森をさまよっていると数人の男達に囲まれニャした。


「無頼漢どもに瑞希は触らせん!」

と、息巻いておりニャしたが、どうやら違う様子。


 急に吾輩の前に来て、土下座して(あが)め始めたんだニャ。

瑞希もこちらを見てドン引きしておりニャした。

さすがに吾輩もなにがなんだかわからず、一番偉そうな男に聞いたんだニャ。


すると、こう言うんだニャ。

「始まりの獣様でございますか? どうか我らの元にお越しください」


 始まりの獣?

まぁ、猫も獣に違いはないと思うニャが、意味がよくわからニャい。

ご飯のこともあるし、とりあえずついていこうかニャ。

瑞希を見ると目がキラキラしていニャ。

そういえばこの男達、吾輩と同じような耳がついている。

向こうの世界でも、騒がしい日などは似たような格好をしていた者もおったのニャが。


 これ、本物かニャ?

何気なく触ると、"お戯れを"とか言うんだニャ。

おいっ、顔を赤らめるニャ。


吾輩はオスである。吾輩にそのケはない。

なにやら瑞希が羨ましそうな瞳でこちらを見ていたニャ、流石に無視、無視ニャ。


 この男がいうニャは、最近ここらを荒らしている魔物がいるということでてきてたらしいニャ。

聞くと大型の蛇の魔物ということ。

もしかしたら先程倒したやつかニャ?


 すぐに倒した場所まで案内すると、なにやらみんな感動してたニャ。

何人も犠牲にニャっていたということ、倒せて良かったニャ。

それからもしばらく森を歩き、魔物に出くわすと吾輩が倒したんだニャ。

条件反射ってやつだニャ。

ついやっちニャったぜ!


 しかし、ますます男達に熱い瞳で見られるんだニャ。

ニャんべんしてほしいのニャ。

吾輩はノンケである。去勢はまだしてないが……貞操の危機を感じるニャ。


 そんなこんニャで男達の集落に着いたんだニャ。

ふむ、今まで普通の人間には会っておらぬが……この世界はケモミミしかおらぬのであろうか?


 (くだん)の魔物を倒したことで村はお祭り騒ぎ。

吾輩らにも料理が奮われたニャ。

こ、これはマタタビ! マタタビ酒かニャ?

この魅力には逆らえないニャ。

おぅ、おぅ……ごくごく……

……………

…………………………


「はっはっはっ! くるしゅうニャい! そこの娘、もっとちこうよるニャ! よいではニャいか、よいではニャいか! がふっ!」


はっ? 吾輩はニャにを?

どうやら瑞希に叩かれたようニャ。

我を忘れておったニャャァ。


 そんなこんなで夜はふけていったのだった。



 次の日。


 どうやら王様に会わしてくれるそうニャが、王様、緊張するニャ。

おおぅ、ライオンだニャ! 凄い、凄い! 猫の王様ニャ!


 しかも中々の強者とお見受けいたすニャ。

王様も手合わせとかいってるニャ。

吾輩も望むところ、なにやら血が騒ぐニャ。

ふむ、武器はもたず己の体のみでやるニャか。

なんでも伝統的なもんらしいニャ。

あいわかった!

では、こちらからいくニャ!


「フシャァーーー!」

カンッ! カンッ! カンッ!

爪と爪との応酬、ニャかニャかやるニャ! 流石、王様っ!


「どうした? こんなものかお前の力は?」


 ふっ、見くびってもらったら困るニャ。

能ある鷹は爪を隠す。能ある猫も奥の爪を隠すニャ!


いくニャっ! ネコパンチスペシャル!


 説明しよう、ネコパンチスペシャルとは爪に超高速の振動を与え、獲物を両断する技である。(普通の猫は決して使わない)


 むっ、なんニャと! ライオンの胸が少し裂けただけニャ。

ならばもう一撃!


ネコキックハイパー!


 説明しよう、ネコキックハイパーとはパンチをすると見せかけて両足交互に6段キックをすることである。(もはや猫は関係ない)


 これも受け止めるニャか。

ちょっと自信を無くすニャ。


ライオンが手を止めたんだニャ。

ニャんか高笑いしてる。


「みな見たかっ! この動き、この技! こやつが次の王だ!」


ニャんだと!?

勘弁してほしいニャ!

王様なんてメンドクサイニャ!

絶対にお断りニャ!

あっ、マタタビ!

………………

…………………………


 そっから先の記憶が曖昧ニャ……

気がついたらライオンはいニャくなっていた。


吾輩が王様とか……ん?


よいではニャいか! よいではニャいか! ニャフフッ!


フニャッ!

瑞希そんな顔で見ニャいで、妄想だから許して欲しいニャ。




 そして獣の共和国に、新たなる王が誕生するのであった。



瑞希「こんな(キャラ)だったかしら? けど、猫のBLか……萌えるわね!」


山本「まっこと勘弁してほしいニャ!」












猫言語?難しい。

筆者は猫アレルギーでくしゃみが止まらなくなります。

かわいいんですけどね…………

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