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77話 4月28日 慟哭

 星ひとつ見えない、重苦しい夜だった。

 分厚い雲が空を覆い、遠い空からもたらされる、すべての光を遮断している。

 今、森を照らす明かりは、小さな炎の魔石ただひとつ。

 携行照明器の中に入れられたそれは、所有者からもたらされた魔力によって、赤黒い炎を生み出し続けていた。

 その光源は、暗闇の中で鈍く光りながら、黒く長い手を照らし出す。

 手は、まるでバネのようにくるくると器用に獲物に巻きついて、その血肉を貪っていた。

「ギイィィィ! ギイイィィィ!!」

 不幸な事に黒い影の獲物となってしまった美しい鳥は、先に行くにしたがって青から黄色へと変化する美しい羽を、ばさばさと影にたたきつけ、抵抗を続ける。

 まるで宝石のように澄んだ細い瞳には、生きながら身が食われて行く恐怖とそして、最後まで自らの生の存続をあきらめないわずかな気力があらわれていた。

「ギィィィ! ギ、ギイイイィィィ!!」

 けれど、黒い影は、そんな鳥の決意をあざ笑うかのように、血に汚れた腕を、ぎりぎりと鳥の体に巻きつけてゆく。

「ギィ! ギィ! ギギギイイイィィィ―――――!!」

 どくどくどくと、青い鳥の体から赤い血が流れ落ちて行くのを、黒い手が追いかける。黒い手が血に触れると、血はずるりと音を立てて、黒い手の中へと消えて行った。

 やがて、ばさり、と、鳥の黄色い羽が地に落ちたのを最後に、鳥は自らの意思で動くことをやめた。

 いや、もはや動けないのだろう。

 鳥は、小さく黄色いくちばしからぶくぶくと白い泡をふきながら、うつろな目で、すべての光を奪い取った、暗い曇天を見つめていた。

77話のタイトルは『ハプニング。からの。』で~す。


ディアナ「今日は朝からがんばった!」

ライル「その努力が報われる日は来るのかねえ………」

ディアナ「む、むくわれるもんっ! ……たぶん?」

ライル「何で自ら疑問形だよ」

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