【青い夏の夢】‐4
だからトウヤが図書委員に立候補した時、そのあとを追うようにして、私も立候補した。そして隣のクラスの図書委員二人がトウヤの幼馴染だというので、紹介を受けた。
それが、気が強くも他人思いのコハルと、お調子者のアキラだった。
四人で会うことも多くなり、不安に思っていた中学生活は、楽しい日々になっていった。二年生と三年生でクラスが離れなかったのも、何か縁があるからだと思う。
けれどある時を境に、トウヤは私たちと距離を置くようになった。
「三年振りに会いたい。終業式の日に海に行かないか、ってさ」
「三年も連絡寄越さなかったくせに、今更会いたいって?」
コハルの言葉には棘がある。
「もう三年も経ったんだ。いい加減許してやれよ」
コハルとアキラの会話が、やけに遠く聞こえる。まるで、水の中から聞いているみたい。
コハルの怒りは最もだと思う。ずっと一緒にいたのに、突然何も言わずにいなくなって。おまけに、今まで連絡もくれなかったのだから。けれど、アキラの言うとおり、もう許してあげていいのではないかとも思う。許す、許さないなんて、私が言える立場じゃないけれど。きっとトウヤにも、言いたくないことがあったのだろうし、彼の中で何か整理がついたんだろう。