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その名はニシュタマリゼーション  作者: 古川モトイ
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ニシュタマリゼーション前編

村に着くと、早速、かまどを借りた。


「水もある、土器みたいだけど鍋もある。かまども立派だ。」


ボクはニシュタマリゼーションを披露した。村人達は一様に体調が悪そうだ。


「これ、じっと見ててもしかたがないんだ。重要なのは最初と最後だけだ。明日の朝、もう一度作業するからこのままにしておいてくれ。」


 話を聞くと村人達は開拓者やその子孫だという。偏狭のこの場所に開拓者として強制的に移住させられたが、この土地にかかった呪いによって寿命は長くないし、子供もなかなか生まれてこないという。


「まあ、そりゃあそうだろうね。」


夕食には乾燥トウモロコシを水で練って焼いたものが出た。副食を食べる風習自体があまりないのだそうだ。生活もとても衛生的とは言えない。住居も快適さとは無縁で、謎の羽虫が飛び回っている。家畜もいないのに、便所の類がほとんど整備されていないので嫌な匂いが漂っている。鉄の道具もほとんどない。文明のレベルが低すぎるのか。異世界といえば美少女が付き物だが、ことごとく病人でそれどころではない。


「これは……なんというか呪いだ。」


納得した。これは呪いだ。気候だけは温暖なようで、その点では困らなかったが、羽虫を手で払いながらボクは便所と言う名前の穴から比較的遠い木陰で座って寝た。

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