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その名はニシュタマリゼーション  作者: 古川モトイ
14/21

一念発起

 ボクはもっと徹底的な方法を思い立った。ボクのパワーがあれば、村1個分を養うトウモロコシは簡単に入手できる。パワーがあればトウモロコシは手に入るが水はそうはいかない。村人達は井戸を飲み水に使っているだけで農耕には使っていないようだ。ボクは飼料用のトウモロコシを育てて、畜産をする事を思いついた。野鳥が集まりそうなところにトウモロコシを撒いておく。何箇所かそのようにして巡回しながら様子を見たが、なんだか薄っすら見覚えのあるデカイ鳥がいる。


「お前、七面鳥だよな。」


キロキロとかケロケロといった甲高い声で鳴いている。ボクは足に紐をかける方式の罠で七面鳥を数羽捕まえると突かれながらも連行した。七面鳥の農場を作ろうという魂胆だ。こいつらを太らせて、食べる。繁殖については良くわからないのが、七面鳥がうろついている辺りがどこにあるのか大体分かったので、その場所から定期的に連れてくれば良いだろう。同時にやることがいくつかある。村人達のトウモロコシを横取りするわけには行かないので、水を引いて新たにトウモロコシの畑を作る。七面鳥を飼う。穀倉を作る。そう考えていたらセンテオトルがやってきた。


「畑を作る技術は私がキミに渡せるパワーの一つだな。」

「出し惜しみしてないで、全部くださいよ。」

「キミの体が持たないので、代わりに品種改良されたトウモロコシの苗をあげよう。」


ボクはみなぎるパワーで畑をどんどん作っていった。岩場の大きな水溜りから水を引いて、トウモロコシを大量生産する仕組みを整える。センテオトルから数種の苗を貰った中にジャイアントコーンとポップコーンも混じっているようだ。そうしている間に七面鳥が逃げた。


「あー、チクショウ。」


なんだか面倒なので逃げたままにして、畑を仕上げていたら、数日後に数を増やして帰ってきた。そういえば、ボクは七面鳥を捕まえただけで殺していない。ヤツらはエサが豊富なボクの土地に移ってきたようだ。この頃になるとネズミが増えてきた。狼がうれしそうにネズミを食べている。ついに猫やフクロウもやってきた。トウモロコシを狙うネズミを勝手に捕まえて食べている。この調子だと、ボクが数日いなくてもトウモロコシが全滅する事はなさそうだ。ボクは作業を続けながら頭の中で塩分を多く含む土から塩を得る方法を考えていた。


「あー!ダメだ!何にも思いつかない!」


大きい声を出したら七面鳥が一斉に鳴いた。こいつらは大きな音に反応して騒ぐ。もう慣れた。

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