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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

機攻特殊フル姫 FantasyLiberationWar

作者: 藍色折紙

「あらすじに始まりの物語とか書いたけど、単発です。

 なんとなく続きが思いついたらどうにかするかもしれませんし、まぁいいよねー。

 ファンタジーと近未来技術を激突したら自分的にはこうなった的のあれやこれやのなんやかんや。

 気軽に見ていただけたらこれ幸い」

■OnLine Start

■Command[download]

■File name["Nent"Continent]

■Execution

■24% ウイルスチェック 問題なし

■36% 言語を変換しています

■57% 

■78%

■100%……データを出力

■========================================================================

■大陸歴325年

■ネント大陸の最北端に封じ込められていた魔王なるものが復活

■約半年の時間をかけて広大なネント大陸に対し、武力侵攻を実施

■魔族、魔物を相手に人間は必死の抵抗をするも、ついには最南端の地に逃げ延びる

■決死の抵抗を続ける人々は、"奇跡の乙女"の再来を信じ戦い抜いたが

■同年の秋、魔王が大陸掌握の宣言と同時に、最後の砦が陥落した

■人間は魔王に敗北した。それがこの世界の結末である

■     記録者:SHIKAMI YURINE

■========================================================================

■Command[File End]

■Unlock security "Your name is?"

■LastPass[Fantasy Liberation War]


「ついに、ここまで来たか」


 暗闇の中、赤い月に照らされるウルヴァン城。

暗闇が支配する森の中で昨日まで過ごしてきたその城を見つめ、私はそうつぶやいた。

見慣れたはずの白き城は今や見る影もなく、狂気を孕んだ赤目の蝙蝠が夜闇に渦巻くその姿はもはや別の建物にすら見えるほどだ。

城の周囲を囲む森の中、樹上の隠れ場所に身をひそめながらウルヴァンの姫である私を探しに来ている斥候をやり過ごし、これからの事を頭の中でめぐらせていた。


「護衛は一人残らず死んだか。今まで外界との接触を断たれていたことが仇となったな。過保護すぎるのも問題だぞ。と言ってやりたいが、父様も生きてはいまい。さて、森の中なら早々簡単には見つからないが、かといってこのままというわけにもいくまい。今すぐ助けを呼べる状況でもなく、賢者にも連絡が取れない状況……か」


 魔族は城を落とした後、人間狩りを実施。抵抗しない者も容赦なく殺しまわっていたのがいまだに瞼に焼き付いて離れない。気持ち悪さを押し殺さなければいけないのは、いまだ危機的状況を脱していないからだ。

 この状態で魔族、魔物に発見されれば、武器一つない私はすぐにでも同じ結末をたどることになる。人間が駆逐され、生き延びた所で行く当てなどないが、流石に諦めて死を選ぶほどには達観していない。

 悔しく思うのは、蝶よ花よと育てられ、生まれてから14になる今、城から外に出してもらえなかったことだ。魔王の復活や魔族の侵攻など、大雑把な噂はいくらでも手に入ったが、詳しい情報はわからずじまい。もっと早く魔王の存在、魔族、魔物の戦力状況を知ることができれば対策はいくらでも打てたはずだ。そうでなくても退路の確保はもっとマシだっただろうし、私を護衛していた騎士達も、"勇敢なる者"になることもなかっただろう。


「で、反省はここまでとしても、生き延びるためにはやはり色々足りない。着の身着のままで出てきてしまったが、幸い手元でいじっていた"こいつ"を持ち出せたのは大きいな」


 慌てて連れ出された私の手にあるのは、私の創作物。脱出時に、護衛の騎士に手を引かれたがためにその時いじっていたものである。

 それは首に装着する部分、耳当ての部分、そして目を覆う部分が一体化した形は言葉では言い表すには少し難しいだろう。ヘルムの口元や頭頂部が覆われていないもの、と形容することもできるが、言い得ていないのが実のところ。

 もっと専門用語なるもので言うならば、ヘッドギア、アイカバー、そしてそれらを制御する首輪部分の制御マシン。そう、この世界ではないと言われる機械。

名前は無いが、賢者は確か……


「無線視聴覚デバイス、と言っていたか。まずはこいつで城内の状況を探るか」


 ドレス姿には似合わないその機械を頭部に装着し、アイカバーを落とす。同時に首に装着した機械の電源を入れると、甲高く、何かを絞るような音が聞こえた後、暗かった視界は別の場所を映し出し、切り替わる。


「城に収音マイクとカメラを設置しておいたことが幸いしたな」


 アイカバーの内側で展開されているのは、ウルヴァン城に設置してあるカメラの映像である。松明の灯火で、ところどころ暗い部分があるが、無線の状態はかなり良好で、映像、マイクで収音している音声にノイズが混じっていることもない。

 流石に城の全部にカメラを仕掛けられはしなかったが、それでも今から向かおうとしている自室までのルートは観測が可能だ。音声認識機能を搭載していることで、カメラの映像は声で切り替えることができる。


「A1を展開……A1からA2。A2から、A3、A3からA6、A6を暗視カメラに切り替え……A8を展開。こっちはゴブリン族がいるのか、B8を展開。こっちのルートだな」


 いくつかのカメラから入手した映像、マイクから収音した情報をもとに、自室へ向かうには脱出路を逆走すれば問題ない事がわかった。どうやら、まだ私の脱出したルートを発見できていないようだ。それに、城を陥落し、護衛を排除したという油断が生じているようで脱出路を探す魔族の配置も少ない。


「目的は、自室にある創作物の回収。生き残りの騎士の捜索よりも先に、賢者に連絡を取れる状況にすることが第一優先。脱出ルートが見つかっていないとはいえ、知覚が人間よりも優れている魔族、魔物相手に油断もできぬ。光学迷彩、起動」


 小さく耳元で機械音が鳴る、同時に羽虫の音を低くしたような音が聞こえた後、私は自身の手を見た。そこに自身の手は見えていない。いや、わずかに薄く手の形があるように見える。これは手だけでなく、髪の毛の一本一本まで含んだ全身に現れていた。

 周囲の映像をリアルタイムに取り込んで、体表上に映し出すことで周囲と同一化を図る代物で、現在私が来ているドレス、それに目には見えないが首元まで着込んだ薄く、はたから見れば全く分からないスーツ、頭部は無線視聴覚デバイスからの映像カーテンを使用。全身の映像処理がされれば人間の目には全く姿を認識されないことを、従者と暇つぶしでしていた"かくれんぼ"で証明済み。これが魔族、魔物に効くかどうかは試せてはいないが、効くと信じるしかない。


「ただ、影が消せないのが難点ね。それと稼働時間は1時間が限度」


 継続して透明化していられる時間は限られているものの1時間程度あれば十分。全身の透明化をもう一度確認した後、アイカバーをもう一度目に落とし、今度は城の監視カメラの映像ではなく、ただの暗視カメラを起動。視認値を確認後、一呼吸。



「……フルール=ディスパーダ=ウルヴァン、出る!」



 樹上の隠れ家から、一気に飛び降りる。着地時の音は聞こえるだろうが、斥候は視覚を頼りにするゴブリン族のそれも頭の悪いと噂のゴブリン兵士だ。ステルス迷彩の前には成す術もない。まずは一気に城へと距離を詰める。アイカバーの右側にはいくつか生命反応、目線だけを向けると、間違いない。私の胸当りまでしかない小柄な体格で、ナイフを手にもってうろついているゴブリン。その距離は、10メートル弱。本来ならすぐにでも発見される距離にもかかわらず、透明化している私に見向きもしない。

 私の走っている音だけは聞こえているようで周囲を警戒しているようだが、これなら全く問題がない。そのままの速度を維持し、森を抜ける。

そのまま、城の裏手から堀へと水を流している背水口の下に隠された脱出口へと走りこんだ。


「流石に水がすり抜けてくれるわけでもないから輪郭が浮き出る。なるほど、そういう弱点もあるのか。便利なだけではないということだな。覚えておかなくては」


 光学迷彩、無線視聴覚デバイス事態は防水を施していたので壊れた様子はない。体の水滴を払い落とす。迷彩の上に乗る水滴までは隠し通せない。透明化しているとはいえ、状態を適宜把握していないと目に特化した魔族や魔物は見抜くかもしれないな。まぁゴブリン程度であれば問題にはならない。


「城内潜入完了。この先は巡回中のゴブリン兵士、人鼠ワーラット。それと城を攻め落としたときに見た戦闘鬼バトルオーガに、それを指揮していた吸血騎ヴァンプナイトか。攻城兵器として使われる戦闘鬼バトルオーガは城内をうろつかず、吸血騎ヴァンプナイトあたりは王座にいそうだ。遭遇しないとはいえ、厄介なのは光学迷彩で消せない臭いを察知できる人鼠ワーラットか」


 まだ、脱出路の入り口。ここなら立ち止まっていても今なら発見されることはない。

このタイミングでアイカバーの映像をもう一度城の内部映像に切り替える。ルートの再確認する。頭の悪いゴブリン兵士が動きを変えていないか、それと人鼠ワーラットの位置確認しなければならない。

 と、いくつか映像をきりかえていくと、ゴブリンのアップの顔が映った。


「っ!?」


急なことに驚いたが、そのゴブリン兵士の顔のアップの理由は、クリアに聞こえてくる音声から判明する。


『ぎっぎ、これなんだあぁ』

『ぎっぎなんだこれ、ほかの城じゃみなかったぜ』

『ぎっぎ、報告するかぁ』

『ぎっぎ、そうだな。吸血騎ヴァンプナイト様に報告すっぜ』


 映像にはこちらを向いて会話しているゴブリン兵士の姿が映っていた。その会話からして定点カメラの存在に気が付いたのだ。


「バレた!?いや、ゴブリンたちが不審に思ったものを報告しに行くだけだ。そこからカメラがなんであるか回析するのに要する時間を含めてもまだ時間はある!映像を城内内部構造へ変更」


視点がカメラ映像から、立体図で作成されたウルヴァン城に切り替わる。今までカメラで視認してきたゴブリン兵士、人鼠ワーラットの位置は人型のアイコンで映し出されていた。カメラの存在がバレたことにより、動きが変わってくるだろう。制限時間が光学迷彩の起動時間から、巡回のゴブリン兵士増員までに変更。多く見積もっても、10分が限界。


「ちぃ!立ち止まっている余裕はないか!」


 自室から創作物を持ち出しもう一度城を脱出することを考えると、10分はギリギリの時間だ。おそらく、何を持ち出すかも即座に決めなければならない。こういう時にスカートのドレスは走りづらくて面倒だと頭の中で悪態をつく。

 人鼠ワーラットにさえ見つからなければ、透明化している私に気が付くこともない。ゴブリン兵士の姿が見えないのならば、松明の火の光で出てしまう自身の影も気に掛けることもせず、一気に城の中を駆け抜ける。

 今までは長く感じた回廊も駆け抜ければそれほどでもない。血で汚れ、倒れ伏せる騎士を飛び越え、階段を駆け上がり、映像に映し出されているルートを走る。目の前にゴブリン兵士が現れても全く気にすることもない。堂々と城の中を走り回るが、それに気が付くものは誰もいない。自分でもこんなにうまくいくものかと疑問に思いながらも自室へとたどり着いた。


「はぁ、はぁ、使用酸素濃度の低下が激しい。流石に息が切れる……映像を自室に変更。自室のカメラから暗視で映像を頂戴」


 切れる息。整える時間はないものの居場所がバレれば即座に殺される。慎重を期すところは間違えてはいけない。私の頭はアドレナリンが吹き出ているが、冷静さは常に大事だ。特に今のような状況では。

自室のカメラ映像からは、何かが動いている様子はない。


「熱源感知映像に切り替え。無人がわかったら――――」


 映像を切り替えた瞬間、自分の体から一気に熱が引くのを感じた。それは想定していた中では最悪。一番対処が難しい事態。


「……中に、何かいる」


 暗視カメラでは動くものを発見できなかったが、熱源を感知するサーマルセンサーに切り替えた瞬間、部屋の中央に、明らかに生き物の熱があったのだ。サーマルセンサーの画像で見る限り、うずくまっている形なのか、そういう生き物なのかはわからないが、鮮明に映っている。

待ち伏せ、ゴブリン兵士……いや、あれがスライムであった場合、今の装備では全く対処ができない。

 粘体質であり、こちらの熱源感知と同等の性能もった知覚能力は光学迷彩の透明化など無意味に等しい。人を捕食する肉食性に耐えうる装備はもちろん持っていないし、そもそも物理衝撃を粘体質が拡散させる防御性能は、武器があったところで敵うかどうか。


「いや、だが……くっ、ここまで来て撤退……するわけにはっ」


 目標の場所、そしてそこにある創作物は、間違いなく今後の私の生死を決める。さらに言えばカメラの存在が発覚してしまった以上、不審物を調べられればカメラと同時に仕掛けた"アレ"がバレる。日を改めて再潜入するとは間違いなく無理だろう。潜伏し機会をうかがう内に殺されるのが関の山だ。


「勝負を……するか。ああ、そうだ。勝負だ。バレるのを覚悟で道具を一つだけ持ち出す。決め打ちだっ……超距離無線用の小型送受信装置だ。最低でもこいつは持ち出す。賢者と通信ができなければ今後が話にならない」


 ……畜生。せっかく14年もかけて作ってきたもののほとんどを見捨てなければいけないのか。悔しい限りだ。本当に、歯を食いしばったって、感情があふれ出そうだ。でも冷静になれ、落ち着け。集中力を乱すな。自室の映像から持ち出す長距離無線用の小型装置を探し出す。


「あった。逃げだしたときの映像記録と照合しても、場所が移動してないことから、触られた痕跡はなさそう。壊れていないのなら……」


場所は、熱源の手前、へやの入り口からそう遠くない距離に無造作に置かれたまま。多少の攻撃を受けても、行ける。そう判断する。

 高ぶった気持ちを落ち着かせながら、自室のドアのノブに触れる。これを開けた瞬間に飛び込むために身をかがめ、できる限り息を落とし込み、ゆっくりとノブを回した。


「……え?」


 ノブが途中までしか回らない。鍵がかかってるようで開かないのだ。たしか自室に設置してあるのは電子ロックが付いた物理鍵で、外からは無線視聴覚デバイスからパスコードを入力すれば外からでも開けられる。だが、なぜ鍵がかかっている?疑問が出てくるとその場で動きを止めた。状況が変わったことが強行の意志を止める。

 逃げ出す時を考えてみるが、騎士に手を引かれて部屋を出た。もちろん部屋に鍵をかける暇もないし、第一部屋は内側からしか鍵がかからないように、物理鍵を付けてあったはずだ。そうすると、部屋の中のスライムがカギをかけた?


「いや、そんなことができる知能はないはずだ」


 魔物の中でも捕食、細胞分裂に特化したその粘体質には学習知能があることは認められていない。変異種はその体を特定物に変形させることはあるというが、鍵を閉めることができるように知識に加え、それを行える細かい造形は不可能。

だとすると、中にいる者がカギをかけた?


「もう一度、映像を展開。熱源がスライムではないとすると鍵をかけた何者かがうずくまっている可能性があるわけだけど、この熱源……ゴブリンがうずくまっているにしては大きすぎる。人鼠ワーラットも体格は似たり寄ったり……なら、まさか!?パスコード入力!自室!A45KIU98!」


 がちゃんと、無線通信によって解除コードを受け取った物理鍵が解除される。瞬間、自室へ飛び込んで、ドアを閉め鍵をかける。アイカバーを外せば、それが魔族や魔物でないことは誰の目から見てもわかる。

 見慣れた給仕服、黒い艶のある長い髪、ぐったりとしているが、その姿は間違いなく城のメイドである。しかも、私の身の回りの世話役にして使用人をまとめるメイド長のネジェッタだ。


「ネジェッタ!おい!しかっかりしろ!」

「ん……ぁ……ひ、姫様のお声が!?」

「起きたか。よかった」

「え、えと、姫様?お姿が……ご、ご無事でしょうか?」

「ん、見ての通り……とステルス中だったな。光学迷彩、解除」


 言葉を認識すると、光学迷彩の透明化が解除される。同時に目の前に現れたわたしに驚くネジェッタ。こちらからは見えているが、あちらからは見えていないという感覚はまだ使い慣れていない証拠だろう。つい迷彩中であることを忘れてしまうようだ。


「ひ、姫様。どこにお隠れになっていたかはわかりませんが、すぐに城から出なければなりません。ここは魔族によって攻め落とされ、今、姫様を探し殺そうとしております」

「慌てる必要はない。城の脱出路はまだ探し出されていない。若干の猶予をでここから物を持ち出すために戻ってきた。ネジェッタ、今後使えそうなものをこちらで選出する。お前は何も言わず、指示に従え」

「……はい。では、まず何を」

「部屋のクローゼットの中に一着だけ給仕服がある。まずはそれに着替えよ。近くに今私がかぶっている者と同じものがあるはずだ。それも頭に着けよ」

「給仕服の替えでございますか?」

「質問は後だ。急げ。私が城に仕掛けた物がゴブリン兵士に見つかった。それがなんであるかあの馬鹿共の頭では理解できないが吸血騎ヴァンプナイトにが見ればわかってしまう。時間がない」

「はい!承知しました!」


 ネジェッタはすぐさま着替えに取り掛かった。クローゼットに入っているのは、私が今着ている光学迷彩を装備した給仕服である。ウルヴァン城の給仕服は下の靴から首元を隠すネッくシャツであり、私のように肌の露出がないため、薄く透明なスーツを着用する必要はない。だが、頭部はさすがにそうはいかないので同じ無線視聴覚デバイスを付けてもらうことになる。

 無機質で機能に特化したデザインの無線視聴覚デバイスは姫としてもメイドとしても不格好にはなるが、見た目の問題でない。

 ネジェッタの着替えが終わるころには、持ち出す創作物の選出は終了している。脱出速度を考えれば、両手にひとつづつ、残りは服に吊り下げても走る速度を落とさないことが条件。同時に、賢者との通信をするための装置を入れるとなると、物はほとんど限られてくる。


「姫様、着替えと姫様から渡されたものをかぶりました。持ち出すとおっしゃられたものはお決まりに?」

「ああ。長距離無線通信専用の小型端末装置。試射できず作ったライフルから取り外した電子スコープ。リボルバータイプの拳銃とホルスター。衛星通信が不可能な時に役に立ってもらう支援AI。今すぐに使用できる攻撃手段のスタングローブ。あとは今私たちが頭につけている無線視聴覚デバイスを5つ。以上だ。試作したAI戦車を持ち出したいが、そうもいかんだろうしな。あとは諦める」

「……姫様が何をおっしゃっているのかは全く分かりませんが、これらを手分けにして持ち運ぶということですね」

「……いや、ネジェッタ。ライフルは持っていく。持ち運べるか?」

「この長くて黒い物をですか?……かなり重いですね姫様。これでは脱出の際に姫様をお守りできなくなります」

「城から出た後に必要なものだ。ネジェッタ。一つだけ聞く。」

「なんでございましょう?」

「魔族が攻めてきて、城の者が殺された。私の父や母も亡くなっただろう。もちろんお前が手をかけて育て来た使用人仲間もだ。無残に、慈悲の一つもなく、苦しみ抜いて悔しい思いで死に行った。憤りは?」

「勿論、あります」

「では一番必要なものだ」

「承知しました。ですが脱出速度が下がり、姫様をすぐにお守りできないことをご理解ください」

「問題ない。私が城に戻って来た時と同じ手段で脱出する」

「姿を消すと……姫様が着替えを命じたこの服、そして頭のヘルムはそれを可能とする。間違いはございませんか?」

「流石だネジェッタ。すでにネジェッタの音声は登録済みだ。装置の電源は既に入っている。今から言う私の言葉を繰り返せ」

「承知いたしました」

「光学迷彩、稼働」

「こうがくめいさい、かどう」


 私とからワンテンポ遅れて、ネジェッタに光学迷彩による透明化が機能する。当然ながら私からもネジェッタの姿は見えなくなる。

 今まで自分だけが光学迷彩を使っていたので、他人が透明化する瞬間を見るのは初めてだ。こうやって消えていたのかと思うと同時に、ネジェッタの輪郭がうっすらわかる程度だと認識でき、改めて透明化の有効性を実感する。これなら魔族でも目に頼る種族なら間違いなく騙し通せる。


「これは、また姫様の姿が……そして私も……なるほど、透明になったのですね」

「とはいえ実態が無くなった訳でもない。簡単に言うと、"透明に見えるだけ"」

「えと、つまり、見えなくなっているだけですり抜けなどはできないと?」

「その通りだ。それと目は騙せても臭いまでは無理だ。あくまで騙せるのは目だけ」

「けれどこれなら堂々と出ていけるのですね。便利と言えばそうですが、同じことをしている姫様の可憐なお姿も置お消えになってしまうと少々不便でもありますね」

「ネジェッタ、頭に付けたものの、アイカバーを下げろ」

「あいかばー……目を保護するこれですね」

「つけたか?」

「はい、これは…目を完全に覆ってしまって視界が暗くて」

「遠隔操作機能にて通信稼働、デバイス2、外部映像に変更」

「あ、急に姫様が見えるように!」

「私とネジェッタだけ、互いを見えるようにした」

「どういう魔法なのかは……いえ、なにか魔法でない気がいたします」

「その説明も後だ!脱出するぞ!」

「はっ!」


 本来であれば守られる立場の私がネジェッタの前に出て自室を出る。無線視聴覚デバイスから得られる敵の位置、索敵技能は間違いなく生身の人間よりもはるかに上であり、さらに透明化していられる状態ならばまず発見されることはない。人鼠ワーラットだけは避けなければいけないが、監視カメラに憑いているサーモセンサーから割り出した位置情報から脱出路まで遭遇しないルートはいくつもある。城からの脱出はたやすい。

 問題はどちらかと言うと城から脱出した後だろう。これだけ城内に敵の姿がないとするとおそらく私を探し出そうと外を捜索している可能性が高い。


「とはいえ、優秀な指揮官とは言い難いな。嗅覚だよりの人鼠ワーラットだけならなんとなくの居場所はたどれるだろうが、透明化している私達の正確ない場所までは掴めまい。水路に敵の姿はない。入るぞ」

「はい」


 敵の脱出路索敵はほとんど意味がなかったようで、こちらが敵の姿を確認することもなく二度目の脱出となった。そこからは一番最初に私がたどり着いた樹上の隠れ家まで一気に走り抜ける。想像通り、外の捜索を強化しているのか、ゴブリン兵士に人鼠ワーラットが見て取れたが、透明化している私達に気が付いた人鼠ワーラットですら、混乱するだけで、難なく樹上の隠れ家に退避することができた。

 光学迷彩を使用するだけでここまで簡単になるのか。"魔法などと言う奇跡とは似ても似つかない哀れな代物だよ"。以前、賢者はそう口にしていたが、魔法よりも理論、根拠がある分、信頼がおける私向きの代物だ。


「姫様、ここからいかがいたしますか?」

人鼠ワーラットがうろついている以上、長居できん。すぐにでも逃げたいが、賢者と通信ができなければ話は進まん。はんっ、それに一矢報いなければ、死んでいった者たちに顔向けもできまい」

「姫様、どこでそんな笑い方を……」


 持ってきた長距離無線通信専用の小型端末装置を床に置く。アルミニウム製のトランクケースで電子ロックされている。4桁のコードを入力し中を開くと、折りたたまれていた小型のパラボラアンテナが同時に展開。アンテナが向かう先は、いまだ名前でしか聞くことがない宇宙にあるという人口衛星だ。名の通り長距離の通信を可能にする端末の電源を入れる。通信設定をオンにし、チューニングしながら専用回線を開くと無線視聴覚デバイスから耳に触るノイズ音が聞こえ、徐々にクリアになっていく。いつも通り回線は開かれたままのようだ。


「姫様、なにか、聞こえますが……」

「ネジェッタ、少し待て……私だ。フルール=ディスパーダ=ウルヴァンだ。賢者シカミ、聞こえるか?」


 応答を求むと言葉を掛けると、ノイズ音が僅かに混ざる声が耳に届いた。人を食ったような性格で、それが声にまで漏れ出している憎い女の声である。


『あら、まだ生きてたのね。フル姫様?』

「賢者シカミ!無事だったか!よかった。世界中の人間が殺され尽くされたのかと思ったぞ」

『御生憎さま。人間はそう簡単に絶滅したりしないわ。それよりも、あなたどこに居るの?衛星映像で居場所を探しているのだけど位置情報が割り出せないわ。あなた認識コードをオフにしてない?』

「もしもを想定して切っていた。今は森の木々が邪魔をしているのだろう。衛星画像からは姿は見えまい。場所はウルヴァン城の南西だ。状況は理解しているか?」

『勿論』

「なら話が早い」

『あなたまさか……まぁそうよね。あなたの性格でやられっぱなしなのはないわよね』

「衛星とECS-NTW-20をリンクしろ!」

「姫様何を」

「私の城を奪った奴を吹き飛ばしてやる!」

「姫様!?」


 ネジェッタが持ってきていたライフル、ECS-NTW-20は賢者シカミがくれた情報の中では最大級の火力を持つボルトアクションタイプの対物ライフルである。20mmの弾丸を距離にして1500mm先の目標物に当て破壊する。電子支援システムが組み込まれたカスタムであり、本来のNTW-20よりも大きいが、名前の通り、対物を想定した20mmの弾丸は生き物に当たれば爆散させるほどの高威力であり、電子支援制御されたそれは射手を選ばないほどの高性能となっている。一点に破壊力のすべてを集結したその威力は広範囲をカバーできないものの、今の魔法技術などまったく論外だと笑い飛ばせる。まぁ、試射できなかったので設計構造上からの話ではあるが、どうせだ、ここで試射する絶好の機会だ。あぁ、楽しみが憤りを通り越さんばかりで笑みが浮かぶほどだ

 ネジェッタの持ってきたそのライフルを台座に固定すると、無線視聴覚デバイスから有線接続。スコープの映像をアイカバー側に投影。さらに衛星とリンクしたライフルは角度調整及び風力における弾道のズレを衛星側の支援AIで行う。


「制御ソフトをインストールしている時間はない。賢者シカミ!」

『はいはい?』

「そちら側でネジェッタのバックアップを」

『あら、フル姫様が撃つのではなくて?』

「私の体では反動を押さえるのは無理だ。それに私にはやることがある」

『あらそう。それじゃメイドさん。よろしくね』

「え、と、私は何をすればいいのか」


 慣れないこと、聞きなれない情報の連続に困惑するネジェッタだが、そんなことは言葉で伝えるよりも実践する方がいい。これから起きる出来事を理解するかどうかはネジェッタ次第なところがあるが、憎き相手を吹き飛ばすだけならば今はそんなものは必要がない。


「まずは、固定したライフルの後ろに回り座ってくれ。それから手をそこに、そうそこがトリガーだ。まだ置くだけでいい。合図したらトリガーに指を置け。賢者シカミ、映像をネジェッタに」

『スコープの映像を送るわ』

「っ!?お城が、近くに!」

『映像見えてるー?今あなたが手にしているそのライフルを少しだけ動かしてごらんなさい。角度を変えてみるの。わかる?メイドさん』

「はい……見えている景色が動いています」

「ネジェッタ。王座の間に景色を合わせろ」

「やってみます」


 映像はネジェッタだけでなく有線接続している私にも見えている。ネジェッタはライフルを初めて触り、慣れない重さに角度調整に少し時間をかけるかと思ったが、思いのほか早く王座の間を見つけ、ライフルの角度調整を止める。


「……王座の間の景色になりました。姫様、賢者様。もっと近くを見ることは可能でしょうか?王座におそらくですが吸血騎が座っている様子です」

「慣れが早いな。スコープの取り回しは後で教えよう。賢者シカミ」

『こっちで拡大するわメイドさん』

「……姫様。奴です。城を占拠する際に指揮を執っていたのは、あの……吸血騎!姫様、らいふると呼ばれたこれが何かはわかりませんが、奴を倒せる武器であれば、是非に扱い方のご教授を!どうか!」

「まぁ焦るな。景色の中に十字の線が見えるだろう。その合わさっている部分を奴に合わせておけ。奴が動いても合わせ続けろ。トリガーにも指を」

「……はい!」

『フル姫様ー。目標をこちらでも確認。制御ソフトのデータはこちらでも確認してるけど、問題ないわ。いつでも狙撃可能よ』

「さて、口惜しいがお別れといこうか」


 無線視聴覚デバイスの映像を王座の間に仕掛けてあるカメラ映像えと切り替える。同時に収音マイクで周囲の音を拾う。どうやら王座の間には一人でくつろいでいるようで、グラスに赤い飲み物を入れては優雅に楽しんでいるといった光景だ。

 どうせ、その赤い飲み物は城の中の若いメイドを殺して搾り取ったものだろうが、そんなものが奴の体内に入ることに苛立ちを感じる。まっていろ、今すぐ外に出してやるからな。


「優雅なものだな。吸血騎」

「姫様?……!?王座から吸血騎が立ち上がりました」

『なっ!?これは、女の声!?』


 城のいたるところに仕掛けたカメラと収音マイク。それは無線視聴覚デバイスと接続されているが何もこちらだけが受信機と言うことはない。カメラはないのでこちらの映像を送ることはできないが、音声だけであれば城内に送ることは可能だ。奴は今、姿無き声に戸惑っている。


「私の名前は、フルール=ディスパーダ=ウルヴァン。貴様がのっとったウルヴァン城の姫である」

『なんだと!?声だけが……魔法か!』

「馬鹿め。"奇跡の乙女"の事を知らぬわけではあるまい。魔力を持たず、世界に平和をもたらした"奇跡の乙女"の子孫は魔力を一切に持たぬ。当然今こうして話をしているのも魔力ではない」

『は、っは!まぁどこにいようが関係ない。人間は魔王が送り出した魔族に蹂躙され、もはや生きる地などない!探し出してすぐにでも殺してやいるぞ!』

「なぁ、吸血騎。城を返す気はないか?」

『ははは!姿が見えないとはいえ何の冗談だ!この城は俺のもの!貴様もすぐに俺の餌食にしてやる!』

「そうか。ネジェッタ。体部に狙いをつけろ」

「はい」

『な、なんだ!?狙い!?まさか、何かで俺を狙っているのか!?は、やってみろ!人間の武器にいくら傷つけられようと再生するこの体に何が効くというのだ!』


 ボルトハンドルを操作し20mm弾丸を装填。映像をネジェッタの見ているライフルスコープの映像に切り替え、余裕を見せつけつつも立ち上がったまま周囲を警戒するその姿に照準が合うのを確認する。

 820 m/Sの音速を超える速度で、生き物よりも堅く強い物体を破壊するために作成されたこの ECS-NTW-20の威力が効かないというなら。見せてみろ。


『くっ!姿が見えない!どんな魔法を使っている……おい!人鼠ワーラットを呼び戻せ!臭いで探すんだ!』

「狙撃後、再生することを考慮し、ウルヴァン城に仕掛けた爆薬を連鎖爆破。奴をそのまま生き埋めにする。ネジェッタ、合図とともにトリガーを引け」

『なんだ!?そげき?ばくはとはなんだ!?くそ!、何が起こって!おい戦闘鬼バトルオーガを出せ!早く!』


 慌てふためくも、電子制御によってターゲットをロックされている吸血騎。いくら動こうが微調整をリアルタイムで実施し、その照準から逃げることはできない。再生能力と人を遥かに超えた力が吸血騎の性能だが、慌てふためくその姿は滑稽でしかない。一変する状況に慣れの早いネジェッタの方が優秀である。


吸血騎ヴァンプナイト様!お呼びでございましょうか?』

『なにか、お呼びでしょうか?』

『この王座の間にこの城の姫!生き残りが―――』


「撃てぇっ!」


 瞬間、トリガーを引いたネジェッタが爆音と同時にライフルと一緒に跳ね上がる。強くはねたライフルから発射された20mm弾丸は、慌てふためいていた吸血騎の胴体に突き刺さりその体を爆散させる。上半身が吹き飛んだのだ。一瞬のうちにはじけ飛んだその体からは大量の血液が王座と近くにいた人鼠ワーラットに飛び散り赤く染め上げる。

 一瞬何が起こったか全くわからなかった人鼠ワーラットだったが、それも含め、上位存在にあった魔族が消し飛んだのを見た恐怖で、数体が失神、数体が奇声を上げて発狂。阿鼻叫喚の場と化す王座の間に、更なる追い打ちをかける。


「コード入力!全C4爆破!」


 音声で認識された瞬間、気絶する人鼠ワーラット、狂気に踊り狂う気絶する人鼠ワーラットが爆炎で吹き飛ぶのを見た後、映像は途切れてノイズだけとなる。

アイカバーを外し、城を見ると、そこには豪炎を纏い、崩れゆくウルヴァン城が赤い月夜の光をかき消すように赤く揺らめいていた。


「くっ……姫様、なにが起こって」

「ウルヴァン城に仕掛けたカメラには爆薬の一種であるコンポジションC4と燃料を同時に仕掛けていた。それを爆破炎上させ城の支柱を倒した……銃の反動がきついか。大丈夫か?ネジェッタ」

「まだ腕がしびれていますが問題ありません。ですが、城が」

「ああ、崩れていくな」

「姫様……」


 轟々とウルヴァン城が燃え上がる。建物を支える支柱が破壊され、技術上倒壊を想定していない建物はあっという間にその形を崩した。城という見た目には派手な建物は、今や見る影も無く瓦礫の山へと変貌していく。燃え上がる炎が不吉な赤い月の光をかき消すように立ち上がり、黒煙は世闇へと吸い込まれていく。

 ネジェッタにとっても私にとっても10年以上を過ごしてきた思いであるものが一瞬で倒壊していく姿には思うところはある。帰る場所、それを今、失った。


『感傷に浸っていそうなところごめんなさい。フル姫様?これからどうなさるおつもりで?』

「……三人ではできることも限られる。まずは人を集める。この技術に適合し、なおかつ日を浴びることのない活躍を望む者をだ。衛星で人が生きている集落を探し出せるか?」

『相変わらず人使いの荒いお姫様』

「給料分は働いてくれ」

『もちろん』

「姫様……」

「ネジェッタ。これで戦いが終わった訳ではない。むしろこれからが戦いの始まりだ。私達には明日がある。その次の明日も、その次の明日も生き延びなければいけない。そして魔族の侵略から取り戻さなくてはいけない。無論魔王討伐などと言う大層な目標はまずはいらない。村一つ、街一つ、城一つ、できる力で取り戻していく」

「姫様、このネジェッタ=ベティヴィア。どこまでもお供いたします!」

「この狼煙だ。すぐに魔物や魔族が集まってくる。夜が明ける前にこの場を離れ身を隠すぞ。光学迷彩、起動」

「はっ!こうがくめいさい、きどう」


 赤く燃える城の残骸を背に森の中を駆け抜ける。行く先々に待ち受けるは、人の世界に侵食した魔族、魔物。物語に登場するような勇者が居れば、魔王へ立ち向かうこともできるだろうが、この世界にそんな者はいなかった。

 勇者も、光の剣も、魔王に立ち向かう魔法も、奇跡もないが、ここには、知られざる機械技術を持ち、魔法をも覆す火器を取り扱う物がいる。

どこまで救えるか、どこまでやれるかはわからないが、その力で征服された世界へと立ち向かう。


フルール=ディスパーダ=ウルヴァン。

14年前に起動した01型リモートアンドロイド。

それが、私の名だ。



■Report add

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■大陸歴325年

■ネント大陸の最北端に封じ込められていた魔王なるものが復活

■約半年の時間をかけて広大なネント大陸に対し、武力侵攻を実施

■魔族、魔物を相手に人間は必死の抵抗をするも、ついには最南端の地に逃げ延びる

■決死の抵抗を続ける人々は、"奇跡の乙女"の再来を信じ戦い抜いたが

■同年の秋、魔王が大陸掌握の宣言と同時に、最後の砦が陥落した

■人間は魔王に敗北した。それがこの世界の結末である

■しかし、物語は終わってはいない。

■これは近未来技術を手に入れ、魔族が支配する世界へ宣戦布告する物語。

■そう、これはどこかにありそうなお姫様のお話。

■     記録者:SHIKAMI YURINE

■========================================================================

■Save

■……Save Complete


「読んでいただいてありがとうございますー……ほんとに読んだ?こんな思い付きの小説。

 読んでもらったらわかるけど、別段メッセージ性のない思い付き短編です。

 頭良さげな小説なんて書けませぇん。速筆もできねぇし!

 そういう技術的なサポートマシンとかねぇかなー。お手伝いロボットほしいなー」


By藍色折紙

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