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プロローグ
その地はかつて一人の聖堂回境師が治めていた。
その存在は『輝星の麗人』とまで謳われ、大魔女にもっとも近いとされた存在。
そのモノの扱う極光魔法はあらゆる物を透過し、分解したという。
現代では失われし大魔法の一つである。
光の魔女ルーシェ。
彼女は大魔女ラフェミナと対立し、ただ一人でその体制に反旗を翻す。
かくて教会から第十魔王の指定を受け、
彼女はラフェミナとの激戦の末に地の果てへ封印される。
だが強すぎる光は大きな影を作り、その影はそのモノが地平の彼方に封印された後も
消えることはなかった。
天空都市トラード、それは彼女が管理し治めた都市。
そしてその光と影の始まりの場所でもある。
その影はその光が消えた後も、ゆっくりと大陸を浸食していた。
さて『真夜中の道化』も最終章。
これで前半戦終了になります。
暴走気味に書いてたけれど、これで一区切りつきそうだ。