能力よりも呪いなんですが?
私はご飯を食べながら、今朝見た夢の話を考えた。
私たちが夜を見れないのは、主に、みんなが持つアクセサリの呪いのせいだということ。
このアクセは、親の形見で、なぜか、ちょっとした能力を秘めているのだ。
とてつもなくこわい。
私の場合はヘアピン。脳の回転が速くなる。バカ(海斗)は、足についたミサンガ。足が早くなる。音ちゃんは、眼鏡。目がよくなる。悠くんは、ブレスレットと指輪。手が器用になる。紫影にぃは、首についたチョーカー。影が薄くなる。お兄ちゃんはヘッドフォン。耳の聞こえがよくなる。霊架はカチューシャ。髪を自由に動かせる。
じゃあ、その、アクセサリを外せば、呪いはとけるだろう?と思ったやつもいるだろう。でもそれは違う。出来ない。私たちはそれをはずすと1時間ぐらいで、(はずして風呂には入れる)何かに蝕まれているように、強烈な頭痛が起きる。それが、このアクセサリのもうひとつの能力なのだ。
これは、みんなすでに知っている。むしろ、知っていて当然なのだ。
今日見た夢は、
それに関係がある夢らしい。内容としてはひとつのノートが、アトリエの中にあり、そこには、夜の呪いという題名が書いてあった。その本に呪いの解き方という項目が載ってあり……
そこで夢は終わってしまった。でもそのアトリエは、どこかで見たことがある気がしてずっとモヤモヤしている。
だが、やはり思い出せない。
「おい。バカ。全然はし進んでないけど大丈夫かよ?」
「ん、あぁ、ごめん。ってバカは余計よ!」
という会話をしながら。
朝ごはんの時間は進んでいった。
「さあ、みんな学校いくぞ!」
張り切って一番最初に出ていった海斗。いつも、外でみんなが揃うのを待っている。
そんな中、ふらふらと近づくのは、ねぼすけな、霊架である。
「おねーちゃーん…」
「っと、霊架どうしたの?」
「あのね、とっても眠いんだよ。」
「まあ、足元ふらふらだしね。」
「でも、学校いかなきゃだよね。はぁ。いってきまーっきゃぁ!」
「えっ!そこで転ぶ?!」
「私ドジだから。」
「いや、もうドジの範疇越えてるよ?」
何もない玄関で転ぶのだ。こう思うのも無理はない。
「そんなに、ダメな子なの?病院いく?」
「それは、失礼だよ!言い過ぎだよ!人間ダメなところのひとつや二つあるよ!」
「まあいいや。とりあえず頑張って。」
「なんか、納得いかないけど、とりあえずいってきまーす!」
その瞬間ドアが勢いよく開いた。手をかけ、体重をかけたやさきのできことだった。
「ひげし!」
「あ、わりぃ」
「何でこんなタイミングでドアを開けるのさ!おかしいよ!」
「いや、だから悪気はないって」
「もう!お兄ちゃんなんて知らない!」
「えっ、待って。お兄ちゃんが悪かった。謝るから、やめて、お兄ちゃんから離れないで、一人にしないでぇぇ〜!」
「アホ海。なにやってんの?」
「あっ…」
朝ごはんといい、登校前といい。なぜにこんなに体力を使わなければいけないのか。