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小高い丘の上にある高い壁に囲まれた大きな街ナダールは主要な街に置かれている王都までの魔法陣がある。
王都へはもちろんのこと、ほかの様々な町や村々へと行くための中継地点ともなるこの街はいつも活気であふれている。
ディーンたちが着いたとき日も暮れかけていたが街の入り口はまだ多くの人が行き交っていた。
「おーおー相変わらずここはいつきても賑やかで人が多いなぁ」
「こんな時間でも人がたくさんいるなんてすごいね。こんなに大きな街には初めて来たよ」
アルと共に入り口から続く大通りに入ると日が暮れる時間にもかかわらず人が多くいることに驚いたディーンは煌々と明るく活気ある光景に思わずキョロキョロと周りを見まわしていた。
「この街はいろんな場所からいろんな物が入ってくるからうまいものもたくさんあるぞ」
大通りには市場と様々な屋台が並んでいた。
活気のある道を中ほどまで来ると大きな噴水のある広場になっていて、さらにそこから四方に道が分かれていた。
「俺はこれからギルドに顔をだすから、宿屋なら右の通りにいくつかあるからそこへいくといい」
「本当にありがとうございました。おかげで魔獣に食われることもなかったし、一足飛びでここまでつれてきてもらえて本当に助かったよ。
もし良ければごはんをご馳走させてよ」
アルがいなければ間違いなくあの森で自分は死んでいたのだから食事じゃなく本当はもっとちゃんとしたお礼がしたいけれど、ディーンが今できる一番のお礼は食事をご馳走することくらいだ。
「ありがたくその気持ちだけ受け取っとくよ。お前のおかげで思わぬ土産もできたし、次の仕事もあるからここでお別れだ」
子供が変に気を遣うなと頭をくしゃくしゃとなでられて子ども扱いされてしまった。
仕事があると言われてしまえばディーンもそれ以上引き止めることはできなかった。
「じゃあお礼にもならないけど、もし何か運ぶものがあったら遠慮なく言ってよ。どこにだって俺運びに行くから!」
「じゃあそのときはディーンに頼むな、じゃあな」
「ありがとう、またね!」
アルは手を一度あげギルドのある左の道へ、ディーンはそれを見送ってから先ほど教えてもらった宿を探すため右の道へと進んだ。
先ほど教えてもらった通りにいくつか宿がありそのなかから手ごろな場所に泊まることにした。
宿には食堂があり、そこで食べることもできたがディーンは昨日からの疲れかすぐに部屋に入ると寝入ってしまった。