↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

いろいろこわい

作者: らぱすてー
掲載日:2026/08/01

 暑い夏の夜、男たちが集まり、怖いものの話でもしようという事となった。


「おい、お前さん方。怖いものを一つずつ言ってみな」


「俺ぁ、頭下げをしてねぇ作品が怖ぇ」


「へぇ。てめぇにゃ下げる頭なんざねぇってこったな」


「何を言いやがる」


「頭が下がってるもんを見てぇなら、田んぼでも眺めて稲作してろってんだ」


「俺ぁ、『!』や『?』の後ろにスペースがねぇのが怖ぇ」


「はぁ? スペースが無ぇぐらいで怖ぇのか」


「見てると落ち着かなくてしょうがねぇ」


「奇行が極まって、あちこちのスペースから追い出されでもしたのか?」


「そんなことぁ……」


「スペース、スペースってうるせぇんだ。そんなにスペースが恋しいなら、自分を見直しやがれ」


「俺ぁ、異世界にジャガイモが出てくるのが怖ぇ」


「へっ、ジャガイモみてぇなツラしやがって、気にするのがそこかよ」


「だってよぉ、ジャガイモは新大陸原産だろ?」


「だから何でぇ。異世界なんだ。ジャガイモみてぇな食いもんがあって、それをジャガイモって呼んでるだけに決まってるだろうが」


「でもよぉ……」


「そもそも人間がいる時点でおかしいじゃねぇか。日本語をしゃべって、外国人みてぇな名前まで付いてることには目ぇつぶるくせに、ジャガイモだけ食ってかかるなんざ、カルビーの回し者かってんだ」


 みんなが口々に怖いものを言い終えると、一人だけ腕を組んで笑っている男がいた。


「お前さんは、さっきから笑ってるばかりだな」


「そんなもん、何にも怖くねぇよ」


「へぇ。じゃあ、お前さんに怖いものはねぇのかい」


「あるさ」


「何でぇ」


 男は急に青い顔になった。


「ブクマと☆評価だ」


「はぁ? 普通は泣いて喜ぶもんじゃねぇか」


「俺なんぞの作品が、皆々様に評価されるなんざ、恐れ多くて、とてもとても……」


 男は胸を押さえてうずくまった。


「あぁ……想像しただけで具合が悪くなってきやがった。ちょいと横にならせてもらうよ」


 そう言うと、そのまま奥へ引っ込んでしまった。


「おい、あの野郎」


「気に食わねぇな」


「よし、一つ懲らしめてやろう」


「どうする?」


「あいつの代表作にブクマと☆をぶち込んでやるんだ!」


 男たちは協力して、ほうぼうに呼びかけた。

 一人が入れ、二人が入れ、十人が入れ、百人が入れ。


「あっ、おい!」


「見ろ!」


「あいつの作品が、みるみるランキングを駆け上がっていくぞ!」


「ちくしょう!」


「騙された!」


 一同は男の家へ駆け込んだ。


「おい! 起きろ!」


「てめぇ、この野郎!」


「俺達を騙しやがったな! てめえ本当は何が怖いんでえ?!」


 すると男は布団からひょいと顔を出し、困ったように頭をかいた。


「いやぁ……今は、受賞と書籍化が怖い」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
饅頭怖いを知らないと笑えないかも。 それでも、今のWeb小説界隈を皮肉っているのは、面白いと思いました。
く、笑ってしまった。 してやられた自分が憎い!!
うめえことやりやがってwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。