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読み聞かせ狂想曲

僕の名前は、理不尽太郎 【戦国魔法奇譚】という小説にハマっている 50代サラリーマンだ。

異世界から戦国時代に転移した魔法使いが、圧倒的な戦力差で日本人を虐げるという

理不尽極まりない作品だが、ぜひ読んでもらいたいものだ。

さて今日は日曜日、ゆっくり読書でもと思っていたが、娘から孫の面倒を頼まれた。

ダンディお祖父ちゃんとしては、絵本の読み聞かせでもと思い、以前購入しておいた絵本を取り出す。

日曜の昼下がり、ソファーに並んで座る孫とダンディな祖父、これって映えるんじゃね?


孫を膝の上に座らせ、1冊の絵本を開く タイトルは【馬と豚】

表紙にはそのまんま、馬と豚の絵 なぜこの本をチョイスしたのかは、謎だがまあいい


表紙を開き 読み始める 孫ちゃんも興味津々だ


【ある日、牧場で1頭の馬が捻挫をしてしまい、立ち上がれずに伏せてしまいます

それを見た牧場主と獣医が話し合う「もし明日までに回復しなければ、銃殺ですな……」】


「孫ちゃん、馬さん可哀想だね〜明日までに立ち上がれないと殺されちゃうんだって」

心配そうに馬を見つめる 孫ちゃん


【その話を聞いていた豚が、大急ぎで馬の下へと向かいます。

「おい相棒!お前は明日までに回復しないと殺されちまうぞ!!俺に任せておけ」

そう言うと豚は、一晩中馬の足を必死にマッサージし、なんとか明け方には立ち上がれるまでに回復します。】


「孫ちゃん、見てごらん……いいお話だね」

少し涙ぐむ、理不尽太郎 キャッキャッと喜ぶ 孫ちゃん


【回復して歩き回る馬を見た牧場主も獣医も大変喜び その夜にお祝いのパーティーが開かれました。

たくさんの酒と料理の数々、そして今夜のメイン料理は、豚の丸焼きでした……とさ?】

馬の足を必死にマッサージしていた豚が、丸焼きで登場……


「えっと…………この絵本の教訓と言うのは、ひとを助けるな? こんな理不尽な絵本があるか!?」

絵本を投げ捨てる理不尽太郎とギャン泣きする孫ちゃん


日曜の昼下がり 娘が帰るまで泣き続ける孫ちゃんだった。




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