通勤バス狂想曲
僕の名前は、理不尽太郎 母に面白かったらいいね!しなさいと育てられた 50代のサラリーマンだ。
そんなフェミニストで、すべての女性をこよなく愛する僕がバスに乗った時の話である。
運よく老婆の隣りが空いており2人掛けの座席に座ることができた。駅までの短い距離の乗車ではあるが
袖触れ合うも多生の縁、ダンディ·フェミニスト·サラリーマンとしては、爽やかにあいさつせねば!
「お婆さん、おはようございます。朝からお出掛けですか?」
きっと爽やかな笑顔にキュンッときていることだろう
「ちょっと病院まで、友達の見舞いにな、ほれビーナッツ食べるかい?」
むき出しのピーナッツを数粒手渡される。
スーパーフェミニストの僕は食べないと失礼になると感じ、礼を言うと口へと運ぶ。
少し湿っている気がするが、なかなか美味いピーナッツだ。
「このピーナッツ美味しいですよ、なぜ食べないんですか?」
「ほれ、わしは歯がないからな」
ニィッと笑って、歯のない歯茎を見せつけられる。
「食べられないのに、なぜ買うのですか?」
「ふぇっへっへ、わしはな、このピーナッツにコーティングされているチョコレートが好物なんじゃ」
この多生の縁………二度と触れ合うことがないよう切実に願う 理不尽太郎だった。
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