天国ドライブ狂想曲
ほぼ実体験から創作したネタや、どこかで目にしたネタなどをキャラクターに落とし込んでいます。
それを承知の上で楽しんでいただけたら幸いです。
僕の名前は、理不尽太郎 携帯はアンドロイド派の50代サラリーマンだ。
気を失うように眠りについた僕は、どうやら夢を見ているようだ。
死因は不明だが、あの世へと行った僕は、どこか2歳になる孫によく似た天使と対面している。
「あなたの人生は、平々凡々……誰に迷惑をかけることもなく、人に敬われることも恨まれることもない
箸にも棒にもかからない人生でしたが。唯一素晴らしいのが結婚されて30年の間、一度も奥さんを
裏切り浮気も風俗さえも行っていないということです!
そこで天国のルールに従いあなたには、お好きな車を贈呈します。」
「えっ?車を貰えるのですか?」
「はい 天国での移動は基本的に自家用車移動となりますので、お好きな車をどうぞ。」
「凄いな〜 じゃあベンツのGクラスをお願いします。」
目の前の壇上の幕がスルスルッと上がり、銀色に輝くベンツGクラスが現れる。
孫によく似た天使から鍵を受け取り、エンジンを掛ける
「安全運転で行ってらっしゃーーい」
気分良く走り出すと、信号で停まり隣の軽自動車を見下ろす。
「ん!?どこかで見た顔だな……ああ〜あの人気俳優じゃないか!そういえば先日死んだってテレビで
見たな やっぱり女遊びが盛んだったていう噂は本当だったんだな〜」
気不味そうに目を逸らす人気俳優
「なるほど天国では、一軒一軒の家の距離が離れているんだな……車が必要なわけだ」
また信号待ちをしていると、後ろから“ギィッコギィッコッ”と錆び付いた音をさせながら自転車が追い越していく。
「ん!?どこかで見た後ろ姿だな……」
信号が青に変わり、自転車に乗った女性を追い越しざまに顔をのぞき見る
「みどり!!??なんで死んだんだ〜〜 ていうかなんでボロ自転車なんだ〜〜!!!!」
絶叫が耳に残る……そして隣で眠る、妻のイビキで起こされる 理不尽太郎だった。
ちょっとでも笑ってしまったあなた!ブックマーク&評価などして下さると嬉しいですm(_ _)m